2019年 の投稿一覧

Tスタイル 〜合気練功の日々〜 「変化と進化」

先日の個人レッスンで、松原塾長が合気の本質に関わる発見をされたことを話して下さいました。ここでは詳しくは書けませんが、これは合気練功塾にとって、とても大きな出来事だと思われます。

合気の修練を重ねていくと、いつか違うステージに到達できるような気がします。このような例えが適切かどうかはわかりませんが、書道で楷書から行書へ、行書から草書へと変化していくように、合気も変化していきます。しかし、さらにその先は質的に違ったものに進化していくのではないのでしょうか。つまり、読むことができる楷書や行書や草書ではなく、一般の人が文字として認識できない模様のような物に進化していくのです。
しかし、その為には、楷書→草書→行書と段階を追って修練を重ねていかなければなりません。ある日、突然に模様のような物が文字として認識でき、書くことができるようになるのでしょう。
皆さん、その日が来ることを信じて、身体を練っていきましょう!

このブログを書いているのは、10連休の真っ只中なのですが、時間を見つけて、家のあらゆる所を触って、足裏を感じてピョンピョン跳ねています。でも皆さん、な、な、なんと、松原塾長は、カーテンを触ってもその反発力で跳ねることができるんですよ!もしかして、カエルの生まれ変わり?

塾長、大変失礼致しました!!!
TAKA

とある塾生の雑記12 合気のカラダ作りと内部感覚

最近の合気練功塾では、全塾生のさらなる飛躍に向けて合気のカラダ作りと内部感覚を磨く練功を徹底的に行なっています。今回は、その合気のカラダ作りと内部感覚について、私の一人練功法とともにお伝えします。

まず合気のカラダ作りとは一見静止しているように見えて、内部では何らかのエネルギー(先人たちはこれを「気」と表現しました)が動いていると自覚するところから始まります。この流れているという内部感覚から、ゴムような弾力感を感じ取ることができるかが大きなポイントになります。体の中が動いていない状態では合気の技が単なる関節技になってしまうため、徹底的に内部感覚を練って体の中を動かしていく必要性があります。私は、毎日背骨揺らし体操と一元から五元のゴム感覚を日課にしていますが、この基本練功は体を流して内部感覚を養うのに最適な方法だと思います。

次に接触面を介して自分の体を預けるという感覚を出せるかということが重要なポイントになります。自分の体を預けることにより、お互いに引っ張り引っ張られるという合気独特の関係性を構築します。この時、相手が出している力以上の力は必要ありません。力を入れれば入れるほど力と力のぶつかりあいが生じ単なる力比べになります。自分の体を預けて二人で一つの重心を作り同調していればぶつかり合いもなくなります。最近、よく練功しているのは、何にも接触しないで自分に合気をかけるエア合気です。このエア合気が上手くできるようになれば、ほんの僅かな力でも合気をかけられるようになるハズ……です。

これら非日常的な内部感覚を基にした合気のカラダ作りを習得することは極めて困難なことだと思いますが、自分の内面を純粋に感じとり、これらを流していくという鍛錬が突破口になるものと思いますので、是非皆さんも背骨揺らし体操とエア合気でこの内部感覚を徹底的に養って下さい。

神谷の呟き 新幹線の車中での発見と反省

新年度になり、転勤を機に泣く泣く合気練功塾から離れられた方も出てきた。逆に新しい生活をスタートされた研究生もいる。かくいう私も新しい職場になり、まだペースが掴めず時間の配分がうまくいっていない。アップが遅延しており反省している。

合気のカラダ作りでは全身を繋げて弾力感を持って動けるカラダを目指す。
僅かな力でも動くことができると相手の関節に負荷を加えずに合気を通すことができる。通常のカラダの使いでは腕が働いて自分が足まで繋がっていない状態に陥りやすい。塾長に「固い」と評される。日頃から触れるものを利用して足まで、座っているときはお尻までつなげる練功を心掛ける。

新幹線では背もたれ部分にテーブルがついている。テーブルの一番下部を相手の足として自分のカラダを繋げてみる。このテーブルには可動部分があるので誠にちょうど良い。テーブルに掌を置いての2系の練習でもよいが、下から1系の方が難度が高い。過度に力を加えるとテーブルが動いてしまうため、ゆるく入る練功に適しているのだ。
このことは「Tスタイル」で文章を書いておられる研究生の方も実施されているそうで、道中、テーブルと繋がっているそうだ。皆様、お試しあれ。

先日、いつものチケットをネットで手配するのだが、年度初めの忙しい時期であったのでこだま号のグリーン車しか取れなかった。さていつものようにと、テーブルを出して繋がってみる。テーブルの感触を上方向の圧と感じてお尻にその重みを受ける。自分のカラダに座面に沈んでいく流れを感じる。セルフチェックでOKである。肩甲骨を皮膚操作で引き、前方に出られる感覚を臀部に摩擦として咬む。エマージェンシー!!
こだま号(グリーン車の?)のテーブルは手前に引き出す事ができるとは知らなかった。皮膚操作のとたんにテーブルはずるりと前に動き、結構な音で響いた。

合気練功では内部感覚で流れを作る。外見から見えるところに動きが生じていると、内部感覚で作りだしたせっかくの流れが動きとして減じていくと感じる。引くという操作はよほど気を付けていないと接触面を引っ張ってしまう。意念の操作を心掛けていても自分のカラダがいかに不随意であるか、反省する出来事であった。

とある塾生の雑記11 合気の接触(内部感覚)

以前、このブログで塾長に手を握ってもらうと、接触の瞬間から柔らかさと相まって、優しく何かが侵入して自分の体を変えてしまうような独特の感覚に襲われ、何も贖うことができなくなると書きましたが、今回はこの合気の接触についてです。

合気の接触は、指先まで意識を通しながら相手の皮膚と自分の皮膚の隙間をできる限り埋めるように柔らかく張りを持たせて、ほんの少し皮をとることで、相手の無意識下に筋膜や靭帯レベルに刺激を入れていきます。古武術で言う「朝顔の手」も、手の伸筋を伸ばすことで相手の皮膚との接触面を増やし、僅かに掌の屈筋を収縮させることで相手の皮膚をとるという点で似ていますが、あまり手掌の形にこだわりすぎると肝心の合気という内部感覚がなくなってしまいます。始めに「朝顔の手」ありきではなく結果的にそのような手になっているという感覚です。

次に、優しく接触した手は何も足さず何も引かずそのままベクトルの方向だけを決めたら、後はセンサーに徹して、自分の体幹を駆使して裏の力を発生させます。この裏の力によって自分自身が引っ張られているという内部感覚に気づくことが非常に大切なポイントで互いに引っ張り引っ張られるという関係性が構築できれば「合気で繋がる」という独特の接触感覚が出てきます。

最近の合気練功塾は、合気の疑似体験から本当の合気へと深化するため、今まで以上に内部感覚の練功に重点が置かれるようになり、動画などで表面的な動きや形を見ているだけでは、どのような感覚で練功をしているのかを理解することができません。是非、塾長に手を取ってもらい内部感覚を磨きにきて下さい。

神谷の呟き 二次元情報

ある講話で「若者に不足しているのは感動の機会である」と。
講師曰く、ゆとり教育は家庭での時間を増やす事で感性への刺激を期待したが、核家族化の影響で何を施したらよいかわからず、結果、「ゆるみ(ン!?)」になってしまったと。

ネットの発達と普及でとても社会は進歩したと思う。でも、記憶を外部に依存する傾向から明らかに何か失っているものを感じる。
我が家の子供達を観る。1日のかなりの割合をネットに費やしている。動画やオンラインゲームに興じて時間を失っている。画素は細かく、色彩もビビットに、動きもより滑らかになっている。さらに視点が複数であったり、普通では見えない角度やスピードであったりと肉眼に比較して情報は増えている。芋蔓式に次の動画が紹介される。
…。ネットへの接続で情報を得ることは容易になったのは間違いないが所詮は平面の視覚情報。その他の刺激の種類はない。果たして本当の感動はあるのだろうか?

合気練功プロジェクトではオンライン講座を配信している。一般動画では公開していない「合気のカラダ」の作り方や、基本5系の技の紹介など丸特情報満載である。見取り稽古になるように塾長も外見上の変化を大きめに表してくれているし、私も頑張って編集しているが、伝わる情報量はいかばかりだろうか。
申し訳ないが、定点。音量・音声も不明瞭なこともある。編集ソフトの能力も編集者の能力も…。

武術の技術を求めて方々へ出かけていた頃を思えばネットの普及はありがたい。スタートを探すに、選択肢を増やすことができる。でも実際の所、合気は触覚と内部感覚の世界。理屈を捏ねてみても触れて合気を感じてもらうことが本当のスタートだと思う。