2020年 9月 の投稿一覧

Tスタイル ~合気練功の日々~ 「やる気のない手」

 新型コロナウイルスの第2波も徐々に収まってきたようですが、まだまだ油断はできませんね。実は私も先月末に県外に出かけなければならない事情があったため、外出を控えている状況です。そんな中で、すごいニュースが飛び込んできました!なんと、名古屋と東京をリモートでつないで、リアルタイムで合同練功会を行うとのこと!いよいよ練功もリモートの時代になっていくのでしょうか。更に将来は、3Dゴーグルをつけ、バーチャルの松原塾長と練功する時代が来るのでしょうか?楽しみですね。

 ところで、先日の個人レッスンで、松原塾長が「やる気のない手」ということを言われました。1系(合気上げ)を行う際、最も重要なのは、相手につかまれている手首を動かさないことです。(ここからはご自分の手首をもう片方の手でつかんで読んででみてください。)ところが、手を開いただけで、相手は筋肉の動きを感じてしまいます。更に言えば、親指を少し動かすだけで、相手は筋肉の動きを感じてしまいます。よく、つかまれている腕を動かさないよう言われますが、腕は勿論のこと、指先さえも動かしてはいけないのです。人間の手のセンサーは、些細な動きも関知してしまうのです。これは厄介ですね。よく合気上げの極意は「朝顔の手」と言われますが、指を1ミリ動かしただけで、相手は反応してしまいます。

 しかし、手の形は変えずに、つかまれている手首の部分をほんの少しだけゆっくりと、相手の手のひらに押し付けてみてください。意外とそれを感知するのは難しいのではないでしょうか?(ここがミソ⁈)

 つまり、つかまれた手を何とかしようと思っただけで筋肉が動き、感知されてしまうのだとしたら、何とかしようと思わなければいいのです。松原塾長がよく言われる「相手が勝手に上がりたくなる」状況をつくり上げることができればOKなのです。相手の足裏と自分の足裏をつなげ、身体のゴム感覚(ここがミソ!日々の練功によってこういう感覚を培っておく!)を使って相手の重心を巧妙に操作できれば、合気練功塾の合気上げは、ほぼ完了です。

 

 みなさん、「やる気のない手」を意識して、練功に励んでくださいね。ちなみに、私は身体全体でやる気のなさを表現して練功する時があります。当然、顔の表情も「やる気のなさ」を前面に出して・・・。とろんとした目をして、口も少し開いて、鼻もよだれもたらして・・・・・。これはやりすぎですね。何事も程々がよろしいようで。

ここで一句

つかまれた 手首じゃないよ そこは足裏

さらに 

やる気なし 思わせ実は 足ぱんぱん                  

最後に

バーチャルも   松原塾長 無双です          

                                         TAKA                                                                            

 

 

空をつかむ「必要な力」

ここ何回かのブログでも書いているが、相変わらず「筋力」の沼にはまっている。自分では腕を上げているだけで力を入れないようにしていても、上腕二頭筋が盛り上がる。

「弾力をもってからだの中のゴムを引く」ということに腕をつかってしまう典型だと思う。相手の力を感じた際に、すぐに対応できる部位で対処することが、からだにしみついてしまっているのかもしれない。

もっと言うと相手が出してきた力に自分が同調させられてしまい、同じように力を入れてしまっている。こうなると合気どころの騒ぎではなく迷走する…

ただ最近思うのは、とにかく力を入れてはいけないというわけではなく「無駄な力」は入れない、ということなのかなということ。一元、二元、三元…を行う際、見た目はその場でほとんど動かないが、からだの中にゴム感覚をもって自分で広げる力を自分で戻す、とか後ろに行く力を前に戻す、とか。

その際、からだの中では自分自身で結構な力が生み出されているのを感じている。たとえば後ろに行く5の力を0に戻すのではなく、5の力分前に行く力で戻しバランスをとる。結果10の力が生まれている。これをからだ全体で行うことで、かなりの力というかエネルギーが発生し全体が張ったようになる。

これで相手と遊びがない状態で接触すると同調し、相手の体に作用するのではないかと。(ただし作用させるには相手とからだをつなげることは大前提)なので、力は入れないわけでもないしまたどこかの部分だけを極端に入れるのでもいけないのかと。

と簡単に語っているが、このからだを作るのは本当に難しい。何をするにもずっとこのからだでいられれば良いのだろうが簡単にはいかない。背骨揺らしや一元、二元などで合気感覚を生み出すからだ作りをしっかり行わなければ難しいだろう。

オンライン講座の感想

Kさん 40代 石川
背骨揺らし、ゴム感覚の動画を視聴しています。
この全身の連動、感覚が無いといつまでたっても松原先生に繋げて貰わないといけないな、と思いました。

最近はTさんのブログにハッとする書き込みがありました。
先ずは相手を引っ張るのでは無くて、自分が引っ張られると言う事。

昨晩、動画を視聴してそう言う身体になってはじめて相手を引っ張る事が出来るんだと。
技を掛けたいので、相手を引っ張る為には~と思いがちになってました。
しかし、これは先生が毎回仰っていますが聴こえないんですね苦笑。

塾生の方のブログを拝見して、オンライン講座の動画を視聴して気付かされました。
大変勉強させて頂いているので、ブログを書いてる塾生の方、又その他の塾生の方にも感謝しています。

Nさん 61歳 茨城
まだ最初のほうを拝見したに過ぎませんが、私の期待以上のもので、大変に価値のあるものだと感じております。秘伝、口伝、に属するものだと思います。ありがたいことです。
オンライン講座を受講し始めたところではありますが、アウトラインがつかめたら、なるべく近いうちに金山での稽古と、松原先生の個人レッスンを申し込みたいとわくわくしております。
その節は何卒よろしくお願い申上げます。

Hさん 64歳 神奈川
You Tubeで先生の動画を拝見し、合気をとても分かりやすく解説しておられ、この機会に是非より深く学ばせていただこうと考え、オンライン講座入会させていただきました。
これまで多くの先生方が合気の技を披露しておられますが、合気とは何かという点は非常にあいまいで定義もはっきりしていない様に感じておりました。また、合気の学び方に関する解説もほとんどありません。その点、先生の動画では新たに気付かされた点も多く、また、相手とつながるという点についての解説は目から鱗でした。(足裏の重心の移動等)これから、じっくり勉強させていただきたいと思います。
また東京での講座は出来れば参加させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

Tさん 56歳 東京
私は、これまで太極拳など”緩み”が必要となる武術を20年ほど行ってきましたが、以前より合気には興味がありました。しかし、現在行っている武術との兼ね合いで、合気の道場へ継続していくことはできなかったので、松原先生のオンライン塾はたいへん興味深い勉強となるような期待があります。
近い将来、名古屋のほうにもお伺いさせていただきたく、考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

Nさん 67歳 東京
この度は合気練功塾のメンバーの一人に加えて頂きありがとうございました。youtubeで合気練功塾の動画を見た時、これは自分自身が求めていたものだと直感し、一度、体験したいと思っておりました。
今回のオンライン講座の話は正に私にとって渡りに船でしたので、直ぐに申し込んだ次第です。
実際には塾長に直に触れて体感出来ないのは残念ですが、オンライン講座を通して合気の内部感覚を少しでも習得できればと思っております。
現在、合気道を勉強中ですが、如何に相手の体格・状況に関係なく崩す事が出来るのか、日々、悪戦苦闘しております。理想は相手と繋がった瞬間、相手を崩せたらと・・・少しでもこの境地に近づけたらと・・・多分、一生のテーマだとおもいますが・・・いずれにしても松原塾長の下でしっかり勉強したいと思いますので宜しくお願い致します。

Oさん 51歳 東京
古武術を15年ほどやっておりましたが、思うように上達せず試行錯誤いていたところ、合気練功塾の動画を拝見し是非とも学ばせていただきたいと思った次第です。
今後ともよろしくお願いいたします

Oさん 46歳 東京
現在、整体を学んでまして、余計な力が入ってしまい思うような結果が出ないのが悩みでした。何かヒントはと探してたところ、合気練功塾の動画を拝見しまして、私が知り得たい内面の動きが内容にありましたので、もっと詳しく知りたいと思い入会しました。今後ともご指導の程宜しくお願い致します。

Hさん 42歳 大阪
初めまして、オンライン講座でお世話になります。
皮膚感覚など、体感に大きく依存するものをいかにオンラインで伝えることができるか大変興味があり、今回申し込みをしました。色々感じることがあれば、こちらからも情報を展開していきたいと考えています。
よろしくお願いします。

Hさん 49歳 静岡
はじめまして。オンライン講座を知って、即、受講させていただきました。
いずれ、直接ご指導いただけるよう、勉強させていただきます。どうぞ、よろしくお願いします。

Hさん 56歳 三重
思いがけず塾長より入会歓迎の御言葉を頂きとても恐縮いたしております。ありがとうございます。
オンライン講座でみっちり意識を高めておいて、いずれは講習会にも参加させて頂きたいと考えております。宜しくお願いいたします。

Iさん 41歳 山梨
私は武道の経験はほとんどありませんが、少しでも多く吸収できるよう頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
私は作業療法士でリハビリのセラピストをしています。日々の患者様との関わりの中で、徒手的誘導の必要性を強く感じています。ですが未熟故に思うような成果が出せず、悔しい思いをしていました。
そんなときに、塾長の出ている動画を拝見し、徒手的誘導にとても参考になると感じ、思いきってオンライン講座に参加させて頂きました。武道の経験も浅く、初心者ですがよろしくお願いいたします。

Tさん 67歳 東京
このたびオンライン講座を受講させていただくこととなりました。今後ともよろしくお願いいたします
早速ですがオンライン講座の前半半分ほどの動画を拝見しました。どうすれば段階的に技術を磨いていけるのかということを丁寧に教えて頂ける動画だと感じます。
体作りの重要性の説明とそれを分解して段階的に練っていく様子が描かれているので非常に参考になるありがたい動画です。なかなか実際のお稽古に参加が難しいですので、一人稽古ができるような内容の動画を増やしていただけますと大変ありがたいです

虹をつかんだ男のココだけの話「不安定」

『お互いが個としては「不安定」でありながら、2人でバランスを取りながら「安定」している状態をつくる。』
これも合気を学ぶ上ですごく大切な情報でありながら、合気練功塾に来るまで、他では教えられることが無かったことである。

2人で一つの重心を作り、その重心を取り続ける事で相手の身体をコントロールする事が出来る。
何故この様なことになるかは、お互いがお互いを支え合っているから。2人共相手がいないと立っていられない状態になっている。

だから片方が手を離そうと上に上げても、わざわざもう片方が追ってきて、不自由そうな体勢になってもくっ付いて離れないという不思議な現象が起こったりする。「いやいや、手を放せば良いだろう。」と思うのだが、放したくても放せないのである。無理矢理放せば、自分が倒れてしまうから。

人間は二足歩行であるが、2点で立っているわけではない。実際のところ、足は右と左、前と後の4点で四角形の面を作り、その範囲に重心を置く事でバランスを保っている。だから、それが2点の線や、1点の点になった時は、遅かれ早かれ、その上から重心が外れ転倒することになる。そうならない為、2点になった時は、本能的に何かに掴まり面を保とうとする。

その性質を利用して、元々相手が一人で自立していた状態に、知らず知らずのうちに自分の2点を貸し出す形で2人でバランスを取らざる得なくさせる。

それを意図的に作り出そうとする時、お互いが相手の存在を必要とする共依存関係になる必要がある。普通の状況で4点で「安定」している他人の前で、自ら進んで「不安定」な2点になってくれる人など存在しない。相手が乗ってくる条件として、自分の「不安定」は絶対条件である。
そして、その条件下で相手の本能が、「自分が助けなければヤバい、2人とも共倒れしてしまう。」と誤判断し、力を出す状況に至った時、お互いに支え合い、引っ張り合う事になる。それを知識のない人が側から見ていると「何でくっ付いているのだろう。不思議だ。」となるのだ。

しかし、「不安定」になるのはとても難しい。独りよがりで「不安定」になって、転倒しそうになっても自分の「安定」を捨ててまで、相手が助けてくれることは無い。そして、自分が4点で「安定」して相手を「不安定」にしようとすると、引っ張っているとか、押しているという風に受け取られるため、ぶつかるか、すかされるかで力が伝わる事は無い。

そこで、合気練功塾の教えでは、〈裏の力〉で相手に侵入し、踵をあげさせ前重心にして、自分も踵を上げた状態で前重心になって下から支える。あたかも杖の様な形になって、重心を重なり合っている手の部分に移動し、共有の重心を作り「個」としての「不安定」を作る。

そして、2人の足から足までを繋いでいるゴムを目一杯引く事で、相手に「足で踏ん張り、手で押さえていなければ自分の身体が持っていかれてしまう。」と思わせる事が出来れば、その力で相手が勝手に動いてくれる。