2017年 12月 の投稿一覧

合気練功研究会のこと

毎週木曜日の夜に練功研究会は行われる。師走の平日の晩というのに参加者は熱い。

研究生は練功場所に着き次第、背骨揺らしから合気のカラダ一元と二元は自分たちで行って準備していく。中には段階の区別無く外部と内部の感覚を入れ替わり味わっている方もいる。

 

練功されている方はお分かりと思うが、基本五系で上手くいく・いかないには、自分の合気のカラダの要素と相手側の要素:相手によって合気の原理を整える幅のようなものがある。少しの刺激で反応が出るヒトから、ある程度の操作を行うことでつながる方もいる。上手につながれても動き出すときに僅かでも生の力が入ると気取られてしまうセンサーの鋭い方もいる。

研究会はある程度の感覚を持っているメンバーばかりなので、少しでも雑な操作をすると許してもらえない。逆に言えば研究会で通用する操作の感覚は、方向性として正しいと自信が持てるわけである。塾長自身も示演の中で順番に研究生に技をかけていってその自信を深めていっている節がある。研究生もそれこそ色々な握り方をするので個々の状況に合わせた調節が必要になっているようだ。大きな声で言えないが観ていて「ん!? 今のは失敗したのでは?」と思うこともある。そんなときは空かさず取り直して見せるところが経験値の差であろう。(「上手くできちゃったんだよね~。」なんて爆弾発言wもあったような‥。)

 

練習の内容はあらかじめこれをしようと決まっているわけではなく、研究生の練功状況を鑑みて塾長が決めている。ここ最近は合気の原理「ゆるみ」の練習を行うことが多い。原理Ⅴ「ゆるみ」は原理Ⅰ~がほぼ自動運転になった状態で内部感覚をゆるめて相手を弛めてしまうものである。感覚的な領域の練習なので研究生でも理解が及ばずに迷宮入りする場面も多い。塾長の示演をジッと見て外側から観てとれるヒントを探している。質問があれば随時発して、塾長はそれに答えて少しでも感覚がとれるように言葉を尽くしてくれる。10人ほどの大人(しかもほとんどの方が武道の有段者)が互いに感覚を伝えあって、雰囲気は穏やかであるが真剣に自分のカラダと感覚を見つめ直している(研究している)。とても幸せな空間が研究会である。

 

実を言うと私の場合、研究会のその場で感覚をつかめたという事はない。練習を終えて、何かモヤモヤしたモノを抱えたままとぼとぼと歩いて帰る途中(とても不幸せそうな表現だ)でいくつかのヒントが頭に降りてくる。その思いつきを次回の練習で試してみて振れ幅を狭めていくような練習を積んでいる。結果、そこに費やしたエネルギー分は自分自身に変化が生じたという感じである。

 

追記:塾長と「自分のカラダと感覚を見つめ直す幸せな空間」をもっと色々な場所と用途で作れないかと話している。2018年には新展開が期待できそうです。

個人レッスン感想(40代Mさん、合気難民)

数年前に、何気なく見た映像で、合気の技に魅せられた私は 、「自分もこの様な技を身に付けたい。」と思った。それからというもの、書物を読み漁り、高価なDVDを購入しまくり、怪しげなセミナーにも多数参加し、挙句、年間スクールや塾などに入会した。

そこでは、高い授業料を前払いで振り込んで参加しても、投げられたり、技を掛けられるだけで、放っておかれたり、よく分からないトレーニングさせられたり・・・。

またもっとひどいところは、実技指導さえなく、ただ単に人としての生き方を学ばせるという独りよがりなセミナーを受けさせられるだけで終わるなど、散々な目に遭ってきた。

合気に翻弄され、多大な時間、労力、資金を無駄にしたのだ。

そんな私に、救世主が現れた。

合気練功塾の松原先生の技量は、今まで私が触れてきたものとは、格段に次元が違うのである。そして、合気の体とはどのような状態で、自分がそうなるにはどんな練習が必要であるか教えてくれ、合気の原理も余すことなく、筋立てて説明してくれる。また、実技も、こちらレベルに合わせて丁寧に指導してくれる。

やっと本物に出会えた。あとは喰らい付いていくだけである。

合気の原理 ゆるみのこと

ゆるみのこと
合気の原理Ⅴに「ゆるみ」の感覚がある。と言っても筆者としてはここ最近お目にかかったばかりである。従ってきちんと理解できているわけではないので、以降の文章は本当に呟き(もしかしたらぼやき?)程度に思っていただきたい。

合気の原理をお復習いすると、原理Ⅰ「足裏感覚」接触点の入力が上体のみの支えではない足底部に及ぶこと確認して、皮膚操作で重心が互いの姿勢保持に影響している状況を作る。この時、重心をカラダの外に出すようにボロン(or ヒョイっ?)と預けると相手は全身で支えることになる(首や顎または鎖骨に反応があるので目視でも確認できる)。
重心が乗っていることと皮膚操作で少なくとも二方向の力が作用しているが、相手は主にそのうちの一つの力に対して反応しているので、自覚されていないもう一つの反応は「裏の力」となる。そもそも「裏の力」は反射によって生じている力のはずなので足裏に影響が及んだところですでに姿勢保持の裏の力は発生している。「お前はすでに合気のカラダになっている」と言うところだ。
え~ここまでが「繋がっている」をつくる復習である。┐(´д`)┌ヤレヤレ

合気の原理Ⅳ「裏の力」が発揮されたあと、接触点の位置や圧を変化させずに自分の中のゴムの感覚をゆるめていくと相手のカラダは力の入らない状況になっていく。今はこれを「相手の身体を合気のカラダにする」と表現している。これで相手の身体に存在していた芯のような硬さはなくなるので容易に技がかかると言う。
私見であるが、「受け」は相手の重心を支えなくてはいけないほどの圧を受け続けているのに、「取り」のゴム感覚のゆるみで裏の力の発揮する方向性を見失っているように思う。受容している刺激と発揮しなくてはいけない反射の力の差異で脳に混乱が生じているようだ。力一杯掴んでいてもからだの中は力めておらず、ただ掴んでいるだけになっている。
自分の力みでカラダの中の変化がわからないので、柔らかく掴んで分析してみる。自分の掴んでいる力が変わらないのはやはり刺激を受けているためで、腕にピリピリとした電気のような振動がある。だから離せばいいのに手は離せない現象が起きている。そして身体の中は質的に空洞化して筋はうまく連動できていない不甲斐ない状況にあるようだ。

「ゆるみ」が上手く入ると相手は何とも言えない表情を浮かべる。その反応はヒト様々だが、『ニヤ~』とされる方、『フッ』と笑われる方、一杯目の生ビールの後の表情をされる方…。なんとなく解放感の表情だ。
合気の原理Ⅴ「ゆるみ」はゴム感覚をゆるめ、相手の力をゆるめるからと思っていたが、まさか塾長! 表情がゆるむから がネーミング根拠ではないでしょうね?
20171217

意識の持ち方について

意識の持ち方について

先日、元高校生バックパッカーの吉野裕斗氏(君?)の講演を聴く機会があった。吉野君は名大付属高等学校在学中に一念発起して世界を見に行った若者である。彼のTwitterにある自己紹介は以下
吉野裕斗:ビラスタートCEO (@yutoworld2015). 元高校生 世界一周バックパッカー◇ 名大附属→慶應SFC◇株式会社ビラスタート代表取締役◇ 高校休学して世界一周しました!(2015年5月24日〜2016年2月12日)◇講演登壇 100回突破◇旅革命研修◇TEDx登壇◇家庭科の教科書掲載◇ソフトバンクアカデミア 8期◇. ホームレスなう.

若くて行動力のある人物で、その意識は外へ外へ向いてやる気に充ちていた。講演会に集まった聴衆の多くは大学生であったのだが、彼は冒頭に
「君たちね。旅に出ても、留学しても、何カ国回っても‥何も変わらないよ!」
「経験したことで自分を変える意識を持たないと何にも変わらない。」
と始めたところが印象的であった。

オンライン講座を受講されている方の多くは実際にその感覚を体験することなく映像からエッセンスを抽出されている。その熱意が現れたご自身の「合気練功の学習計画」を塾長のもとに送信された方もおられた。(合気の原理の手順と題して、つながる→皮膚操作→馴染む→ 待つ! とありました。感心しました。)
集中講座に来られる方々や東京、大阪から来られる方々の行動力も本当に凄いものがある。長年「合気難民」を彷徨って、やっと、たまたまHPや動画を見て何かあると敏感に感じ取って、何かを拾いに来られている。改めてその熱意・集中力・意識の高さに頭が下がる。

ヒトの意識は難儀なもので、感動は回数が増えるにつれて同じ感動に対する閾値は上がっていく。その貴重さが感じられなくなって行くのである。「名古屋で毎回練習できて良いですね。」と言われることもあるが意識の面では善し悪しかもしれない。練功塾や研究会に毎週参加しても意識が薄ければ自分の変化が乏しい(合気の原理の進化にタイムリーに触れていられるのはメリットだが、消化不良と隣り合わせだ)。きちんと毎回の「問」を持って参加しなくては!と初心に返るとともに、私の文章が 読まれる方々の気圧に負けてしまうようではいかんなと思ったしだい。                                  12112017

追記:最近、「熱気を持った方々のために地方で復習を主とした練習会を行ってはどうだろう。」と松原塾長と話をしている。合気練功の技術は理論を知っただけでは用を成さず、合気の感覚を磨いて蓄積していくことで成立していく。互いの意識と感覚を鈍らせないためにもそんな機会を作れないだろうか。

ミニ講座57

【合気の原理Ⅰ】足裏感覚(重心を一つにする)2017.12.10

今回も「合気の原理Ⅰ」を復習しましょう。

 

まず相手の手のひらを通して足裏に圧をかけ、その力が床に到達すると「カツン」と床にぶつかった感触が得られます。

その感覚を切らないようにして、次に自分の重心を足先の方に移動させてみてください。

 

これ以上いくと前に倒れそうになるので継脚をしたくなる直前で止めてください。

すると相手は期せずしてこちらの重心を全身で受け止めることになります。

 

そこでお互いに一歩でないように重心の位置を微調整しながら止まってみてください。

ふたりの重心が一つになっている感覚が得られると思います。

 

今週水曜日の合気練功プロジェクト動画に解説動画をアップしておきますので、参考にしてください。