「合気の原理・同調」は難しいものだとまた感じるようになった。
塾長は合気の繋がりを理解してもらうために、色々な方向から必要になる感覚を紹介してきた。そのほとんどが繋がりを理解するために必要なパーツなのであって、それが全てではないというのが理解する側にとって難しいところだと思う。オンライン講座のコンテンツでも紹介されているように、特に同調は色々な解釈の側面を持っているのでどの視点から合気の繋がりを捉えるかによって確認しようとしている要素がかわってくる。
最初は不安定ではダメだと鍛えてきた身体であるのでそもそも不安定になることを避ける。これが1つめの階段である。2元のカラダで一度安定を壊して、不安定をつくることが許容できるカラダにできるようになったところで、次は相手との関係で不安定にならないといけない。ここに難しさがあると思う。相手と同調して不安定にならないといけないわけで、自分だけが不安定になるのでは良くない(練功の段階によっては悪くはない)のである。
いろいろと経験してきたが、2元のカラダが不安定過ぎると相手に接触したときに余裕がなく、持って行かれないように倒れないようにと、どこかに力が入る。自分が安定して引っ張っている状況は相手に解ってしまい重心を上手く引き出せない(たぶん腕で引っ張っている)。かと言って、接触したところと関係なく自分だけが重心移動しては、相手には何の影響もない。ちょうど狭間の塩梅で引きつ引かれつのアプローチ。この辺が皮膚の取り方の加減と言うところで、相手を巻き込んで不安定になり2人で安定をつくると均衡なのだろう。
さて均衡ができたとして、ここから動きがスタートすると合気の繋がりが切れようとする。何がいけないのかを考察してみた。全て同じ事なのだが、
① ゴム感覚が消えている。足裏を捉えていない。
② 圧(力)が強すぎる→相手の動きを追い越したり、離れてしまったりと同調しにくい。
③ カラダに偏りがある→自分のカラダが同調してない。
ガッチリ腕を掴まれるとなぜ力が出てしまうのか?を考えたとき、これも一種の同調現象なのではと思った。相手の腕の緊張が自分の腕の緊張にシンクロしてくるのだと考える。自分に加わった力に対する一種の防衛反応のようなモノで普通の反応である。合気練功では違った対応の仕方として、身についたモノを一度バラして、合気のカラダで反応することを再構築している。一度スクラッチしないと純度の良い同調がビルドできないと感じている。