合気練功の1丁目1番地

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東京で合気練功倶楽部を開始して2ヶ月がたった。合気練功のフォローアップをお手伝いすることが倶楽部の役割であるが、まさに基本原理と練功の階段が確認できた場面があった。いろいろなかたちで練功に取り組まれている方がいらっしゃるので参考になると思うし、自分もよく陥る部分であるので自戒の念も込めて記してみる。

合気の原理の1つ目に「足裏感覚」がある。相手から全身性の反発力を導き出すのに重要な感覚である。塾長の表現「足裏感覚は合気練功の1丁目1番地」。

練功の階段を確認してみる。練功塾に初めてみえた方は「足裏を感じられますか?」からスタートである。投げや崩しを使う武道系の方は足の裏のどこに重心がきているかを意識されているようだが、大半の参加者(特に若い方)は気にされたこともないようである。
自分の足裏はOKとして、腕や手のひらの接触点で相手の足裏を感じるには、意識して練功しなければ自信が持てる状況になれなかった。

次の段階では足裏からの反発を捉える事を行った。相手の反発を足(前足底)から来るように捉え続ける練功を行う。この段階では推進力についての理解が必要で、一方的に圧を加えているのではなく、圧を加えていながら圧を受けていることを受容する。合気が「力の無力化である」と定義すると相手の力が生じなくなったら合気の繋がりは切れてしまう。相手の力が足の裏からきていることを維持するのである。2つの事を同時に行うことになるので2週目の足裏の練功と思う。

次が、動きの中でも足裏からの推進力を途切れさせず維持できるかである。ここに至って2つのタスクがあるように思う。
一つは相手からの推進力で自分のカラダ(重心)を動かす。いわゆる自分が合気に掛かってしまうことであるが、のけ反ったり、乗りかかったり、力を抜いてしまったりしては動きの中で相手の足を捉え続けられなくなる。
もう一つは相手が動いていく(崩れていく)ときにずっと足の裏を捉え続けられるかである。相手が動い始めるとついつい崩れに任せてエイヤッとしてしまいがち。武術的にはそれでも用を成すのかもしれないが、より精緻な繋がりを目指すには捉え続けられた方が良いと思われる。繋がりを切らないためにどの体勢になっても足からの反発を生じさせ続けるのである。
この練功の入り口として適しているのが3元のカラダの練功だろう。空気(空間)を使って自分のカラダを動かして動きが解ったら、相手の手を使って自分の重心を動かす練功をする。そして、圧を加えて足裏からの推進力で自分のカラダを動かしていく。相手の力で自分の重心が動かせたら、そのエネルギーで相手の重心が動くようにすると基本5系(回旋)である。肝心なのは、どの位置に来ても接触点の圧が変化しないように「同調」を心がける事と思っている。これで3つの事を同時進行である。(…。自分のカラダのゴム感が維持できないと同調できないので4つ同時?) さて、この後は「裏の力」と「ゆるみ」か。

練功の階段を上がっても動きが異なるといつものことができなくなる。何か忘れ物をする。その忘れ物には自分ではなかなか気づけないものである。気づいていたら忘れないから。塾長や院生さんにはよく指摘されているが感謝である。練功仲間がいることに感謝である。

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