足圧と脳波のこと
松原先生から合気練功とともに足圧法と操体法も教えていただいている事は前に書いた。
今回は足圧法。日本足圧協会のHPによると「古くはインドや中国の僧侶が修行の一環としてお互いの足を踏み合ったと言われる修行法が起源と言われ、リラクゼーション効果を高め現代社会のニーズに応えるべく確立された刺激療法」とのこと。
足を使ってリズム感よく筋肉を踏みほぐしていくが、このリズムがリラクゼーション効果を増幅させるそうだ。部位によって足を繊細に色々な動かし方をする。踏むといっても体重をかけて良いわけではないので基本的にずっと片足立ちの状態である。最初は腓腹筋、ひらめ筋はもちろん四頭筋や中殿筋がつりそうになる位の辛さであったが、徐々に鍛えられ自分の重心操作が良くなってきた(と思う)。踏んでいるうちに相手の筋肉の硬結も捉えられるくらい足裏感覚も鍛えられた。
踏み方のかたちがようやく覚えられたころ、大腿部の内側:内転筋を踏む際に松原先生にこういわれた。「足で踏んで皮膚を持ち下げ、筋にグッと圧を加えてから皮膚の弾性に任せて戻す。そのとき凝っているところがあったら筋の張りをジワ~っと伸ばす。」
‥‥足裏感覚と皮膚操作、皮膚の弾性力を感じるは推進力か? 圧をグッと加えて相手の反応を引き出してから… ウ~ン、これはまさしく「合気の原理」!!
合気の技でも足圧でもそうだが、動きに慣れないうちはぎごちない。あれこれ考えるその気配は伝わって技術とはならない。松原先生によると治療の場面は患者さんよりも落ち着いた脳波で施術する必要があるとのこと。日常生活で緊張したりすると出るのがβ(ベータ)波で、筋肉系を活発に動かすホルモンが出ているときにもβ波となる。ご存じのようにリラックス状態で発生するのがα(アルファ)波で、ともなって分泌されるのはエンドルフィンである。さらに深い瞑想状態でθ(シータ)波もある。
古来の達人たちが無念無想の境地とはα波以下の世界。多幸感を与えるエンドルフィンが合気(愛気)とつながる事もあり得る。アウターの筋肉がガツガツ動いているようではβ波である。患者さんを思いやるように丁寧に合気の技を施して、はじめて力強い相手を無力化できるのだろう。立禅でも気功でも鎮魂行でも、自分の脳波を自分でチューニングできるならば、取り組む価値は大いにある。
追記:足圧は合気練功プロジェクト事務局の甲斐田先生が絶妙に上手とのこと。私もいちど踏んで頂かなくては。興味のある方は甲斐田操手院へどうぞ。
11192017