2017年 の投稿一覧

ミニ講座56

【合気の原理Ⅰ】足裏感覚を養う 2017.12.5

合気の原理Ⅰは「足裏とつながる」です。

お互いに練功が進んでいくと、相手が崩れやすい状態になってしまい、技がかかっているように見えても実は繋がっていなかったということがあります。

そこで、今日はそれを確かめる方法をお伝えします。

基本2系(下への崩し)を思い出してください。
2人で練功している時に、相手を下へ崩す直前で一旦止まってみてください。

その時、相手に後ろや横に逃げられてしまうようでは残念ながら合気はかかっていません。

基本2系でうまく繋がっていれば、例え相手がその状態から一瞬逃げられたとしても、また元の場所(重心のある位置)に戻ってきます。

つまり合気がかかれば、その場から離れることが難しくなるのです。

何故なら、合気がかかると二人で一つの重心が形成され、まるで足に杭が打たれた状態になるためです。

当たり前のことですが「人は重心のあるところにしか存在できない」ということです。

今回も合気練功塾プロジェクト動画がアップ(毎週水曜日)されるので、確認してみてください。

合気の原理 自動運転技術について

自動車の世界では自動運転技術の開発が急ピッチで進められており、米フォードは2021年までに完全無人の自動運転を量産体制にすると宣言しているし(産経新聞0817)、日本のメーカーも2020年には高速道路での車線変更をふくむすべての運転操作を自動にすることを掲げている(官民ITS構想ロードマップ2016)。運転をする楽しみが味わえないなどの意見もあるようだが、運転に使う神経がフリーになった分で別の何かができれば、それはそれでレベルアップになるのだろう。

合気練功ではカラダ作りが一元(直線)から二元(複線)、三元(曲線 or 三次元)~。原理が「足裏感覚」からスタートして「推進力」「同調」~と示されている。合気の原理を武道・武術的に使おうと試みるときポイントは「〇〇しながら〇〇する」である。例えば、「足裏を感じながら重心移動させる」などである。足裏感覚を持つだけでも最低二元の感覚が必要で、最初からスパッと素早くできないわけである。練功の時間と質が積み重なるとゴムの感覚は当たり前となって、相手の重心が前足底なのか土踏まずなのかを感じられるようになる。その辺が自動運転になっているからカラダをつなげたまま重心を動かすこともできる。

合気練功の原理はわずか5つしかないが、初学は一つずつ確認し、2週目のヒトはそれらを連動させて、3週目は生の力が入らないように強く使って…の様に、カラダ作りと原理を二重螺旋のように周回するイメージで積み重ねていく。この時、徐々に自動運転の部分が増えていくのである。
さて松原先生が何周目かは存じ上げないが、先日の研究会で「相手の手に自分の重心を乗せる」、「ヒョイっと乗せるんですよ。ケンダマのように。注1」なんて説明があった。練功塾にもとうとう来ました、擬態語で表現する達人の世界。言うのは簡単で理解が難解な世界。でもわかってしまうとその表現しかない世界。

現場で理解ができなかったので、後日質問したところ「いろいろなものが自動運転になっているからそう感じることができた」のだそうだ。自動運転の境地にたどり着くしかないわけだが、自分の自動運転ときたら自動的に上腕に力が入り、不安定を嫌って自立に戻る。車の流れ(気の流れ)にうまく車線変更して同調していくならばよいのだが、挙句の果てには生の力で車(相手)にぶつかっていく困った自動運転が出る。
自動車の自動運転も余人には理解できないブラックボックスが行うのであろう。自分のカラダのブラックボックスを解析して調整していくことをボチボチやっていこうと思う。見えないものを観て(感じて)、普通では出会えない身体メソッドを体現することを楽しみとしているのだから。

注1:後日の説明で、先生の感覚は「正しくは、重心はボロンと出る」に進化した。

12042017

ミニ講座55

【合気の原理 番外編】崩れの方向 2017.11.29

今日は、合気をより効果的にかけるため、崩れの方向について解説してみたいと思います。

合気練功塾の塾生も意外と気づいていない方がいますので再確認するつもりで読んでください。

 

まず相手が下方向に崩れているときは当然ながら膝が屈曲してます。

ところがせっかく合気をかけても下に崩そうとするときにわざわざ膝が曲がりにくい方向に力のベクトルが向いていると、当然相手は下に沈み込むように崩れてはくれません。

あとは力ずくで倒そうとすればするほど相手からの反発を受けてしまいます。

 

ではどうすれば良いか…

 

1.まず相手の足裏に重みがかかるように下に圧をかけます。

2.次にその重みをキープしたまま、ほんの少し相手の重心が前にくるように皮膚の遊びをとります。

3.すると下への圧と手前に引かれた2つのベクトルで合成された力が相手に伝わります。

4.それが膝が屈曲する方向と一致したときに相手は膝を曲げて崩れ始めます。

 

詳細は合気練功プロジェクト動画(毎週水曜発信)に収録しておきましたので確認してみてください。

 

 

シンメトリーについて

シンメトリーについて

合気練功塾にはいわゆる「型」はないのだが、練習するときは、上、下、横と方向を決めて基本五系でそれぞれの方向の感覚をつかんでいく。このとき両手の時と片手の時がある。さらに相手が諸手(両手でつかむ)というのもある。私としては両手で行う方が、カラダがつながりやすくて上手くできる。
片手では基本二系(下方向)が力みやすく苦手である。片腕で何とかしなければと無意識に思うから(矛盾した表現だ…)だろうか、上腕三頭筋から肩甲下筋にかけて力んでいる部分が出現してしまう。普段の雑な動きで、肩帯まではつながるのだがそこから下がつながっていない。従って相手の力をもらって全身が上にあがってくことができない(上がっている時は、自分でつま先立ちになっているだけの、トホホ(;´д`)な状態である)。

自分自身や誰かが練習しているところを分析してみた。片手で上手くいかない時は、
・つかまれている手だけに意識がいっている。反対側の腕がダランとしてつながっていないことが多い。→ 術者のカラダの問題
・相手の足への圧よりも腕や重心移動の引きの要素が多すぎる。膝が曲がる方向にベクトルを作り出せていない。→ 足裏感覚がない。推進力の方向が間違っている。
・相手が動き出したとたんに、カラダを預けることが腕の力の抑えに代わっている。
→ 相手の変化に対する同調ができていない。

やはり両腕が身体とつながった合気のカラダであれば「一部だけ力む」状況は生じにくいように思う。逆の発想で力んでいるところと同圧で全身をつなげるという方法もあるかもしれない。力がぶつかっても先ずは体をつなげて相手に委ね、足裏の重心を感じることに専念である。

NTT基礎研究所の五味氏によると、スポーツ選手のしなやかな運動は脳が逐一筋肉に指令を出すことで可能になるのだという。合気練功は不随意筋を意念で動かす特殊な訓練を要するものである。運動前野から骨格筋に指令が出るときには、左右両方に逐一指令が出ているのであろう。それをどちらか一方の動きのみで表現するのは非効率な事かもしれないと思った。

さて、相手が諸手のとき私は最もつながりやすい。両方の手でガッチリつかまれる訳なので普通は片手では不利と思うが、ここも転換で「両手で力強く」とは相手の体がつながっている状態でわざわざ相手の身体をつなげていく手間が省けているのである。重心操作が多少雑でも、自分のカラダのつながりが切れないことに注力すればOKということだ。

追記:上記の五味氏の研究グループは振動を与えて、引っ張られた(牽引された)感覚を錯覚させる装置を開発しているそうだ。何もないのにゴムの感覚が生じる現象に関連しそうだ。
11262017

第2回集中講座in東京の感想

第 2 回集中講座in東京にご参加いただいた皆様、多数の感想・応援メッセージをお寄せいただきありがとうございました。

中には合気練功プロジェクト企画に対する貴重なご意見・提言などもあり、来年からの東京開催に向け大変参考になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

現在、皆様に合気練功をもっと深く学んでいただけるような企画を事務局で検討中です。またお会いできる日を楽しみにしております。

合気練功塾 塾長 松原辰典

◆感想・応援メッセージの一部をご紹介します◆

⭐️Yさん(北海道)
今まで動画で見てたゴムを使った感覚、皮膚感覚、相手の重心とつながる感覚が、今までイメージしていたのと実際に体験してみたのでは、全く違うことがわかり良かったです。 ( 目から鱗状態でした。 ) これから動画の見方が 180 度変わる様な気がします。また機会があれば参加したいと思います。

⭐️Sさん(東京)
このたびはご指導いただき感謝申し上げます。合気の感覚は体得しないとわからない世界なので、松原先生から直接ご指導いただけた点は大変参考になりました。
今後東京方面で活動を展開されるのであれば、積極的に取り組むとともにぜひご協力させていただきたいと思います。

⭐️Hさん(長野)
先生に手をとって頂いた事が何よりの勉強になりました。皮膚接触により相手を崩す原理をここまで詳しく説明を受けた事が有りませんでした、合気の体作りの重要性もよく理解できとても勉強になりました。還暦を過ぎ自分のやってきた武術の集約をして行こうと思っていった時先生と出会えたことはただただ感謝です。

⭐️Hさん(神奈川)
講座では、いままで謎、疑問だった合気の原理を解りやすく解説していただき、なるほどそうだったのかと、納得の行くものでした。松原塾長におかれましては、よくぞ合気をここまで解明し、さらに一般人向けに説明、体感できるまでところまで工夫研究されたこと、惜しげもなく披露してくれることには脱帽のかぎりです。また、東京での開催を実現、そしてご指導くださったスタッフの皆様のご尽力、ありがとうございました。

⭐️Yさん(東京)
何十年も修行した一部の師範クラスしか出来ないと思っていた合気がそのほんの一部でもこのたった 3 時間の短い時間の中で感じることができたことは、私にとって大変な驚きと感動でした。今後、合気のカラダづくりの練習に励み少しでも向上出来るよう継続したいと思います。また、オンラインだけでなく機会があれば直接のご指導もよろしくお願いいたします。

⭐️Mさん(東京)
急遽仕事が入ってしまい、キャンセルしようか迷いましたが仕事を途中で抜けて参加して本当に良かったです。あまりにも簡単に合気を教えてもらえて、そのまま実際に体験できるようにプロセスが整理されていたので驚きました。その理論も簡明でゴマカシが無いように思いました。また機会がありましたら参加したいと思います。

⭐️Nさん(北海道)
松原先生、インストラクターの方々、本日は懇切丁寧に教えて頂き誠にありがとうございました。オンライン講座を通してある程度の知識と型的なことは見よう見まねで稽古しておりましたが、これだけで果たしてどれ位通用するものかと思っておりました。それを試す意味でも今回の講座に参加することは、大いに意義のあることでした。

僅か 3 時間で先生の教えの通りする事でこれ程の結果が出せたのは驚くべきことです。また、オンライン講座の稽古も少なからず功を奏したと思われます。特に、合気の身体づくりとゴム感覚を掴むのは一人稽古でも出来ますが、この稽古の重要性は今回思い知らされました。オンライン講座では学ぶことの出来ない部分、疑問点は集中講座で補填出来ることもわかりました。

⭐️Kさん(東京)
とても楽しい 3 時間でした。楽しかった分 3 時間はとても短いものでした。最初に先生がおっしゃった隠し事は無しで教えますという部分に先生の人柄を感じましたし、他の合気練功塾のスタッフの方々「そんなに言っちゃって良いんですか?」と言いたくなるほど丁寧に教えていただきました。本当に良い時間でした。 12 月に名古屋に行く予定があります。調整が厳しいですが、どうにか参加できそうならクラスレッスンを体験してみたいです。

⭐️Kさん(東京)

講座内容は概ね満足しました。教わった事を全部習得出来ませんでしたが、ペアを組んだ方も威圧感の無い方で私と同じペースで学べて良かったと思います。次回の東京集中講座では是非、前後の時間帯に個人レッスンをお願いしたいと考えています。

⭐️Hさん(東京)
これまではオンライン講座で、動画を見ながら稽古を続けておりましたが、今回集中講座で初めて松原先生や塾生の皆様に実際に手を取り、技をかけてもらう事により動画では分からない微妙な体の感覚、力の入れ具合が感じられたことが非常に良かったと思います。
これまで、いくつかの合気系柔術の道場で稽古しましたが、この合気練功プロジェクトの様に 合気を明確に定義し、その原理と習得の方法を示し、指導してもらえる ところはありませんでした。

合気を学びたいと考えている者にとっては、この松原先生の合気練功プロジェクトの立ち上げは非常に画期的な出来事であると思います。

今後、日本各地で合気練功プロジェクトの同好の士が集まり、合気習得の為に、 お互いの成長を喜び合える仲間と 和気あいあいと稽古ができる体制が整う事を強く希望しています。