2017年 の投稿一覧

足圧と脳波のこと

足圧と脳波のこと
松原先生から合気練功とともに足圧法と操体法も教えていただいている事は前に書いた。

今回は足圧法。日本足圧協会のHPによると「古くはインドや中国の僧侶が修行の一環としてお互いの足を踏み合ったと言われる修行法が起源と言われ、リラクゼーション効果を高め現代社会のニーズに応えるべく確立された刺激療法」とのこと。
足を使ってリズム感よく筋肉を踏みほぐしていくが、このリズムがリラクゼーション効果を増幅させるそうだ。部位によって足を繊細に色々な動かし方をする。踏むといっても体重をかけて良いわけではないので基本的にずっと片足立ちの状態である。最初は腓腹筋、ひらめ筋はもちろん四頭筋や中殿筋がつりそうになる位の辛さであったが、徐々に鍛えられ自分の重心操作が良くなってきた(と思う)。踏んでいるうちに相手の筋肉の硬結も捉えられるくらい足裏感覚も鍛えられた。

踏み方のかたちがようやく覚えられたころ、大腿部の内側:内転筋を踏む際に松原先生にこういわれた。「足で踏んで皮膚を持ち下げ、筋にグッと圧を加えてから皮膚の弾性に任せて戻す。そのとき凝っているところがあったら筋の張りをジワ~っと伸ばす。」
‥‥足裏感覚と皮膚操作、皮膚の弾性力を感じるは推進力か? 圧をグッと加えて相手の反応を引き出してから…  ウ~ン、これはまさしく「合気の原理」!!

合気の技でも足圧でもそうだが、動きに慣れないうちはぎごちない。あれこれ考えるその気配は伝わって技術とはならない。松原先生によると治療の場面は患者さんよりも落ち着いた脳波で施術する必要があるとのこと。日常生活で緊張したりすると出るのがβ(ベータ)波で、筋肉系を活発に動かすホルモンが出ているときにもβ波となる。ご存じのようにリラックス状態で発生するのがα(アルファ)波で、ともなって分泌されるのはエンドルフィンである。さらに深い瞑想状態でθ(シータ)波もある。
古来の達人たちが無念無想の境地とはα波以下の世界。多幸感を与えるエンドルフィンが合気(愛気)とつながる事もあり得る。アウターの筋肉がガツガツ動いているようではβ波である。患者さんを思いやるように丁寧に合気の技を施して、はじめて力強い相手を無力化できるのだろう。立禅でも気功でも鎮魂行でも、自分の脳波を自分でチューニングできるならば、取り組む価値は大いにある。

追記:足圧は合気練功プロジェクト事務局の甲斐田先生が絶妙に上手とのこと。私もいちど踏んで頂かなくては。興味のある方は甲斐田操手院へどうぞ。
11192017

ミニ講座54

【基本原理Ⅱ(推進力の復習)】2017.11.15

第2回集中講座(名古屋・東京)にご参加いただいた皆さん、お疲れさまでした。
まだ、合気感覚は体に残っていますか?

では、感覚が残っている間に復習しておきましょう。

今回の講座では「合気の原理Ⅰ・Ⅱ(足裏感覚と推進力)」をメインに基本2系(下方への崩し)を使いました。

ポイントは「〇〇しながら〇〇する」です。
例えば、「足裏を感じながら推進力を感じる」
「推進力を感じながら重心移動させる」
「重心を移動させながら足裏を確認する」などです。

できるだけ、多くの感覚を総動員して練功してみてください。

もう一つヒントです。

合気を掛けるときは、その動きに慣れるまではスピードで誤魔化さないことです。

ゆっくりと内部感覚を確かめながら、コマ送りをするように行ってください。

では本日公開の合気練功プロジェクト動画で確認しておいてくださいね。

 

 

操体法と座取りのこと

操体法と座取りのこと
松原先生から足圧法と操体法も教えていただいている。両法とも細かいコツや理論があり、たいへん難しい。合気の練功とともにこれら3つの技術の同時習得はなかなかチャレンジングな試みに思われるが、登山道が違うだけで登っている山は同じであることがジワリと分かってきた。

操体法は健側の筋を使わせて体のバランスをとる技術で、練功塾でも練習の終わりに行っている。ヒトは生活の癖や利き腕などが原因で一部の筋が硬結して、痛みが生じたり姿勢が歪んだりする。最初私は「一部の筋に力みがあったり偏っていたりでは合気の技にも影響があるだろうし、施術してもらうことでチームビルディングにもなるから良いことだ。」程度に思っていた。ところが操法を行う時にゴムの感覚(インナーマッスル)を意識して行うと、合気の原理で操作するときと同じ反応がある。深層筋をつなげてアウターまで働かすのは「原理Ⅳ・裏の力」である。これを行えば松原先生のいう連動操体法となる。

さて座取りである。立って行う時と感覚が異なりとても難度が高い。座ると受けも取りも重心が動きにくいし、足裏感覚は脛の感覚となる。合気の原理は自分自身がきちんとつながった「合気のカラダ」でなくては現象が出てこない。座った状態で全身のゴムの感覚を維持して相手に重心を預けることができるか。(集中講座を受けた方々、高いハードルと思いませんか。)そこで私は操体法が良い練習となっている。施術は基本的に座った状態で操作するので連動操体法を意識することで座取りの練習となる。さらに施術を受けている方は基本的に力で抗うという反応は出にくいため、力んで上手くいかなかったときのストレスも互いに少ない。

松原先生の合気の技術は日々進化して、最近はますます薄味になってきている。その切掛けを伺ったことがある。施術に来られた膝の悪いご婦人が立ち上がられる際、「先生、ちょっと肩を貸してくれる?」と言われ、肩に手を置かれた。先生はきっと体重が乗るだろうと構えたが、ただ触れただけの圧力でご婦人は立ち上がられたという。ほんのわずかな事で重心移動が楽になるならば、わずかな刺激で重心操作は可能なはず。そんな施術の一場面から薄味の合気はスタートしたと聞いた。

11112017

第2回集中講座(名古屋)の感想

11月5日、名古屋での第2回集中講座が終わりました。

皆さん熱心な方ばかりで、とても充実した楽しい時間を過ごすことができました。

この場を借りて感謝申し上げます。

早速、感想メールを送っていただきましたので、ご紹介しますね。

今週末の土曜日は東京講座です。参加申込みをされた方、お会い出来るのを楽しみにしております。

また、満席のため今回の参加をお断りしてしまった方々、大変申し訳ありませんでした。機会がありましたら次回は3月ですので、しばらくお待ちください。

【感想】

🌟Sさん(東京)
動画も素晴らしい説明ですが、やっぱり「体験」に勝る物は無いと感じました。

松原先生と同じ事が出来る合気道を体得した本物の達人と出会った事はありますが…

その技を同じ様に体得したり体験することは難しい事と思ってました… が、昨日の体験で「本当」の事が知れた事、先生にほ本当に感謝しています。
貴重な体験本当にありがとうございました。

レッスン本当に楽しかったです!
昨日の体験を是非とも体得して自分の物にしたいと考えて居ます。稽古にぜひとも参加したいのでよろしくお願いいたします。

 

🌟Sさん(大阪)
昨日は、松原先生はじめ合気練功塾の皆様ありがとうございました。楽しい雰囲気の中で皆様が真剣に対応して教えて下さり嬉しく思いました。

教えてくださったことを、肝に銘じて鍛錬していきたいと思います。相手とのつながり・和合の精神を目標に頑張りたいと思います。これからも宜しくお願い致します!

 

🌟Yさん(大阪)
わかりやすくダメなところをフィードバックしてくれたりして大変よかったです。

ただ、「〇〇する際に繋がりが切れます。切らさないようにするにはこうしたら良いですよ」と言うアドバイスが無かったので、自分の感覚で出来る所は出来るが、できない所はセミナーの短時間では出来ないので少し残念でした。

ただ、本当に素晴らしいアドバイスと、感覚を共有していただけたことには本当に感謝しております。
また機会があれば参加したいと思えるセミナーでした。

合気練功の皆様本当にありがとうございました。

さらに深層筋のこと

さらに深層筋のこと
練功時の動画編集を行っているとき家人にボソリといわれた「オジサンが2人向き合って髪ゴムを真剣に引き合う図って、シュール…。」客観的に見ればそうだよなと思った。しかしながら私にとって髪ゴムを引く練習は非常に重要なものである。相手のインナーマッスルを起動させる微弱な力加減、自分のカラダのつながりを感じる感覚の練習、引き合った互いの重心の位置を調整する練習。どれも合気の原理を発現させるに必要なものである。

前回の稿でインナーマッスル(深層筋)について記したが、近年スポーツでも整体でも注目されている存在である。大腰筋は達人の筋肉なんて表現も目にする。1日の練功を終えて帰ってくるととても眠たくなる。普段は不随意の部位を操作するため脳が活発に活動したことがあるだろう。インナーマッスルを使ったことで水泳をした後のような心地よい全身の疲労感もある。このままいけばBruce Leeのような均整な筋質とバネのような動きになれるのかも(期待?)。ゴムを引くことから始まって、自分自身の変化が楽しい日々である。

シュールとはシュールレアリズム「表現や発想が非日常的、超現実的であるさま」が語源である。松原先生の気付きと合気練功プロジェクトでやっていることの内容から鑑みるととても適切な表現である。

11042017