虹をつかんだ男のココだけの話

虹をつかんだ男のココだけの話「思考の次元」

合気練功塾に通う様になって、数年が過ぎた。ここに来る前の自分と比べると、格段に成長しているのが分かる。合気に興味の無い人にまで現象化が可能になって、満足いく日々を送る今日この頃である。最高の出会いに感謝。

しかしながら、合気を知らずに送って来た人生の方がはるかに長いので、習慣化された思考や行動から抜け出す事が出来ずに、足踏み状態が続く事もよくある。自分が「間違いない」と思い、練功し続けた事が全くの思い違いで、一向に上達が見られない時期を過ごす事も未だに多い。そんな時、ここでは、塾長や先輩方に気づかせてもらえるので、すごく助かる。
また、これら“気づき”は気づいてしまえば、他愛のない、至極当然の事である事ばかりで、自力で気づけない自分に悔しい思いをする。
しかし、それは、順を追って説明を受け、現象を実演してもらう事によって、今までの常識が覆り、新しい常識を受け入れる事が出来てこその結果なのだ。そして、常識が上書きされたときに発想の土台も変わるために思考の次元も上がるのだ。

例えば、合気のカラダには“弾力”は欠かせないので、私達は体の中のゴムを引いた状態でいる。それを開放したら、今いる場所から飛んで行ってしまうのを我慢しながら、普通に立っている様に振る舞っている。(ちなみに、合気練功塾では、常時「飛べますか?」が合言葉である。)
しかし、最初から、この状態を作れる人はまずいない。なぜなら、一般の人の体の中にはゴムは存在しないし、作れるとも思っていないからだ。これが思考の次元の違いで、すでにゴムの存在に気づいている人は、それからの応用も簡単だが、気づいていない人にとっては、余程の奇跡がなければ、偶然であってもゴムが発生する事は無いし、万が一発生したとしても、受容出来る感覚も無いし、再現出来る理論も無いので、ゴムを使用可能という認識に行き着かないのだ。

ゴムの存在を知らないという事は、合気において、“詰んでいる”。なぜなら、“筋力有き”のベースで思考が堂々巡りするだけだからだ。そして、その八方塞がりの無限ループを突破出来るのは、過去に突破した事がある者で、確実に突破する方法を身に付けた者だけだ。そんな人を見つけて、教えを乞うのが一番の近道である。

虹をつかんだ男のココだけの話「組織の成長」

10/28、29に第3回合気練功プロジェクト全国強化合宿「共に成長し、全員が進化する!」が開催された。今回も北海道から沖縄まで、50人もの同志が集結した。もう3回目なので、顔なじみの方もたくさん居られて、和気藹々と楽しく、スムーズに練功が執り行われて、いつもながら、非常に有意義な時間となった。中には初めて合宿に参加された人もいたのだが、その方達も、ベテランメンバーに混じって同じ課題を消化していて、改めて練功塾の習熟スピードの速さに感動した。名古屋塾に3、4ヶ月前に入った方々も参加されていたのだが、私達とほぼ同じレベルで技術や感覚を確認し合えていたし、東京など他の塾の人に聞いても、「ここ最近の新人の上達速度はべらぼうに速い。」と言っていた。

やはり、これは、松原塾長が、「塾生を全員達人にする。」という強い意志を持って、改良に改良を重ね発展させてきたメソッドのおかげであり、また、それが濃縮、簡素化され、誰にでも理解出来る様なレベルまで具体化してもらえたおかげである。そして、その中身で何より凄いのは、それをするだけで相手を無力化出来る「3点バランス」の発見であり、その“合気のタネ”の大公開である。それにより、新人でもすぐにコツを掴み、手ごたえを感じ、合気の獲得を確信する事が出来て、上達スピードに拍車がかかるのだ。

そして、その真髄を掴んだ者達は、それをそのまま、余計な手を加えずに、次の者に伝える事が出来る様カリキュラム化されている。練功塾は確実に次のフェーズに移行している。

 

だから、どこの練功塾に入っても、自分の成長を肌で感じる事が出来るし、見る見るうちに上達して行くのが分かるはずである。

虹をつかんだ男のココだけの話「パラダイムシフト」

合気をつかもうとする時に、何が必須であるか?と考えると、いろいろとあるのだが、やはり弾力であると思う。
自分の体に弾力が無い時に、合気の発生はあり得ない。
なぜなら発生の為の動力源がないからである。
しかし、この条件をどこも教えてくれないので、出来る人のマネをしようと思った場合、筋力を出すしか策が無い。筋力を動力源にした場合、強かろうが弱かろうが、速かろうが遅かろうが、見え難かろうが見え易かろうが、いきなりだろうがおもむろにだろうが、それは全て、程度の差はあるが、人間が取る一般的な動作なので、相手に乗る意思が無ければ、自分の思うような現象は起こり得ない。

「(相手が配慮や、厚意で加担してくれる時のみ、)合気の現象化のように見せる事が出来る。」
この前提が存在するのにそれを隠して、ヤラセのプロモーション動画で、いとも簡単に合気を掛けているように見せる。
そして、いざ行ってみれば、(強く握る事を強要されたり、掛からない相手はパスしたりと、)ずいぶん約束と違う出迎えを受ける事になる。
だから、合気に興味を持っても、先生選びは慎重にしてもらいたいと思う。

本物の合気を求めたいなら、まずは“弾力”の存在を知るのだ。
弾力を感じ、扱えた時に、劇的に世界が変わる。
その時に、今まで生きてきた自分の常識では説明のつかない現象が起こせる様になる。
相手にその気がなくても、強制的に乗せてしまう事が出来るのだ。

そして、自力で現象化を起こせる様になった時、「何故、こんな簡単な事に気が付かなかったのだろう。」と思う。
一度でも出来た人から見れば、それ以外の方法は考えられないくらい確実で簡単な方法なのだが、出来ない人の常識には存在しない。
これは次元の上がった状態だからこそ見える世界なのだ。
自分の次元が上がれば、あんなに不思議だった現象が、説明のつく“当然”に変わる。
今まで低次元では、限定的だった弾力のイメージに応用力がつき格段に可能性に広がる。
弾力に対するパラダイムシフトが起きたのだ。

虹をつかんだ男のココだけの話「好循環」

合気練功塾には、元々何も知らない状態で入門して、ここで合気の感覚を教わり、獲得出来た者が、十指に余る程いる。
ここに辿り着く前に、他で散々煮え湯を飲まされた私が思うに、これだけ出来る人間が相次いで出て来る原因は、他の類似組織には到底想像もつかない“世界観”があるからだと思う。
それは、「仲間と共に達人を目指す」という行動指針の事である。
もし、練功塾に初心者や未経験者が入門した場合、その人が練功で上手く行かなくて悩んでいたり、上達するために何をしたら良いか分からず、その場に佇んでいようものなら、
“それを見かけた人間が誰彼となく勝手に寄って来て、問題解決に協力しだす”
という、他では、まずお目にかかれない光景が、普通に起こるのである。
そして、これらの事は私も含めて、嫌々やっている訳ではない。
入門した時に誰もが受けて来た待遇で、そこに慣れた自分が歓迎する立場になるのは当然だし、むしろ、そうなれて嬉しいのだ。
また、塾生一同、全員で達人になろうと本気で考えているので、ここでは、塾生が塾生に合気感覚を伝えるスタイルで運行されている。
基本、四列に並び、外側に、ある程度の知識と技術を与えられたものを配置し、内側の二列には、入ったばかりの人や、まだ感覚がよくわからない人が並ぶ形になる。
そして、塾長が考え、提示する課題を内外のペアで演習するのである。
その時も、外側の人間が気づいた事を伝えたり、微細な感覚を増幅して認識出来るよう手助けしたりして、内側の人のレベルアップを図る。
また、出来るだけ多くの人の感覚や、自分に合った上達方法に出会えるように、5分~10分程度で相手を変えるようローテーションしている。

ここの塾生は、全員が、自分がすごいスピードで上達しているのを感じているし、その原因は一緒に練功する皆さんの協力のおかげであるという事も理解している。
だから自分が協力する事も自然に出来る。
そのゆとりが好循環を生み出し、組織が潤い、発展していると思う。

虹をつかんだ男のココだけの話「インスピレーション」

前回、記述したとおり、私が練功塾に通い始めて、6年になった。最近では、新しく入って来た人からも、アドバイスを求められる事も増えてきた。そして、それは私に限った事ではなく、休憩時間にも、あちらこちらで、苦手克服のために誰かが誰かに習っているという風景が普通にある。というより一人で困っているような人を見かければ、誰かが気づき相談に乗るという流れがシステム化されている。
そして、思い返せば、私が入った頃には、すでにこの風景があったなのだ。もちろん、その時は、私が教えてもらうばかりだったのだが、聞く人、聞く人、皆さんが、感覚を取れるように『今起こっている現象から、それが起こる理屈』までを丁寧に教えてくれる。そんな至れり尽くせり環境に接した時は、今までとの違いにとても驚いたものだ。

そして、これが出来るという事は、ここには合気への感覚をもつ人がたくさんいるという事の証明に他ならないのだ。(前回も書いたのだが、そんな人は、組織に一人いればいい方で、ほとんどのところは、先輩と後輩の実力に差がないのだ。というより、誰も0から上がれない。だから、何を聞いたところで、臨場感のある、確信的な答えなど返ってくるはずもなく、小耳に挟んだ噂話や、ファンタジー的な伝聞でお茶を濁される。)
そして、一生懸命教えてくれるその人達が合気感覚を掴んだのが、皆、ここ合気練功塾だという話であると。
これを聞いた時、何も出来ないズブの素人だった私ではあるが、近い将来、合気を手に入れている自分の姿をハッキリと思い描く事が出来た。
そして、数年が過ぎた現在の心境としては、その時の直感はやはり正しかった。それ以前には、全く意味不明で、取り付く島もなかった合気が再現性を持って扱える様になったのだから。