相手との繋がりを作るには合気の原理と不安定さを作り出す2元以上のカラダが不可欠である。ただし相手が固まってしまって何も変化(流れ)がないカラダであるとそこからの動きは生じにくい。「つながったな。」「アッ、いけるな。」と感じるときは相手の足裏からの弾力性が感じられたとき。各関節が動く状態で連動していると各関節からスプリングのような反発(推進力)が生まれる。2元のカラダは体幹のゴム感覚が加わるので全身性の働きである。自分が強い柔鞭性のある発条のようなカラダで触れることで相手も全身性の反応となるのだといわれた。
「相手に技を掛けるよりもまず自分が合気にかかりカラダが変化するほうが大事。」
これも塾長の言葉。練功塾では足裏感覚を得て皮膚操作で重心を動かすと基本5系の練習はできるのだが、初めての方や合気のカラダになっていただけない方は難しい。本当に頑張られると膝が突っ張るようになって(ヒトによっては反り腰で)、膝が曲がる要素が無い体勢になってしまう。外力に対して各所で関節をロックして、大腿四頭筋や大臀筋などの大きな筋力で上方に突っ張る体勢である。逆関節の手前のような状態であるので関節が曲がる要素が無い。武道経験があり鍛えている方や関節を怪我されている方にこの反応は多いように思う。推定50~90kgの一塊はなかなか強固で、剛的な力を受けると段々このような体の反応が現れてくるように思う。
「突っ張る体勢でも突破できる合気の感覚」と、お目見えした練功は基本4系であった。4系は相手の足からの反発(推進力)を自分へ繋げて、それを再び相手の足へ返すのだが、自分へ戻す時に相手の変化(流れ)が生じる。この流れで突っ張る関節が動くようになる。自分へ戻る流れをスプリングのたわみのように受けて、コ・コンと跳ね返すと相手は自ら作り出した力で崩れていく。(そういえば、あの塩田剛三先生の動画も跳ねるような印象…。)オンライン講座の動画では2系で示されているが、これが決まった時の相手の反応は「ウッ!」とか、「グフッ!」とか、思わず声が出てしまっている。院生の方々は「やられ演技が上手だなァ~。」とか笑って観ていたが、誰しもが受けて声が出てしまった。強固な塊に成れる体が、反射的に全身の力を発揮させられてしまった感じである。よく考えてみると自分で作った力であるのでパワフルな人ほど声が出るほどの力を受けるだろう。
私が「これは!!」と思ったのがこの流れを感じるということ。いくら原理を尽くしても、塊のままで流れのない方向へはやはり動かないのだ。この流れを説明するのになんと表現するか。「この流れを説明するのになんと表現するか。先人は苦労の末に「気」と言ったのではないか? 信号、刺激、気配…。曰く言い難し。」と塾長は語った。