合気のカラダ 背骨揺らしの自発動について

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練功塾で塾生の前に立って背骨揺らしをリードする機会があった。自分の練功の過程で腑に落ちた瞬間のもろもろや各練功のつながりに気づいた部分をご案内できればと思い、皆さんの前に立った。

背骨揺らしは禅密気功の築基功に端を発し、蛹(縦)、擺(横)、捻、そして蠕動と進んでいく。動きに慣れてくると自分のカラダを内観する余裕が持てるようになる。外側の動きに捕らわれていると自分のカラダの欲している動きに気づけないが、指令する脳から感じる脳にチェンジして、動きの渋いところを動かしたい要求に素直に従えば背骨の運動に変化のチャンスが生まれる。
ある時、自分の練功で蛹動(縦揺れ)を行っているときに気づく事があった。人間の体は基本的に利き手・利き足による偏りがあり、完全なシンメトリーではない。よく感度を澄ませると脊柱起立筋に左右差があることを感じる。その左右差による凝りのような箇所を、油粘土を引き延ばすように動かしてやると縦揺れ運動に横揺れ運動(擺)の要素が加わる。その移行を徐々に動かしていくと縦揺れから横揺れ運動(擺動)になる。横揺れ運動(擺動)も繰り返すと捻じりの要素を背骨が欲するようになる。2次元の動きが3次元に移行していくのである。これが蠕動であるべきなのだと思った。

おそらく禅密気功では、いきなり自分のカラダが欲する(受動的な)、背骨を中心とした全身運動は無理があるので、階段として蛹(縦)、擺(横)、捻を設えたと考えられる。最終的にはそれらの区別が無くなり、極論は蠕動だけになる。それぞれの動きをリンクするキーワードは自分のカラダが欲する所(内部感覚)であろう。

練功塾の場面では咄嗟に言葉が出てこなかったが、後で塾長に確認すると自分のカラダが欲する動きを「自発動」と呼ぶそうだ。その自発動を感じられる能力が「推進力」を背骨が受容する感度になっていくと思う。昨今、練功塾では推進力を背骨の撓みに蓄えて、相手の重心を動かす事に使う練功が行われている。背骨の張りを作るのに背骨揺らしの感覚は重要であると思う。

追記:この日の練功塾からの帰り、塾長から「背骨揺らしを自発動につなげる指導は良かったね。今日一(きょういち)だったよ。(今日、一番良かったよ)」と褒められた。ほんと、久しぶりに褒めてもらえましたよ。

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