毎週木曜日の夜に練功研究会は行われる。師走の平日の晩というのに参加者は熱い。
研究生は練功場所に着き次第、背骨揺らしから合気のカラダ一元と二元は自分たちで行って準備していく。中には段階の区別無く外部と内部の感覚を入れ替わり味わっている方もいる。
練功されている方はお分かりと思うが、基本五系で上手くいく・いかないには、自分の合気のカラダの要素と相手側の要素:相手によって合気の原理を整える幅のようなものがある。少しの刺激で反応が出るヒトから、ある程度の操作を行うことでつながる方もいる。上手につながれても動き出すときに僅かでも生の力が入ると気取られてしまうセンサーの鋭い方もいる。
研究会はある程度の感覚を持っているメンバーばかりなので、少しでも雑な操作をすると許してもらえない。逆に言えば研究会で通用する操作の感覚は、方向性として正しいと自信が持てるわけである。塾長自身も示演の中で順番に研究生に技をかけていってその自信を深めていっている節がある。研究生もそれこそ色々な握り方をするので個々の状況に合わせた調節が必要になっているようだ。大きな声で言えないが観ていて「ん!? 今のは失敗したのでは?」と思うこともある。そんなときは空かさず取り直して見せるところが経験値の差であろう。(「上手くできちゃったんだよね~。」なんて爆弾発言wもあったような‥。)
練習の内容はあらかじめこれをしようと決まっているわけではなく、研究生の練功状況を鑑みて塾長が決めている。ここ最近は合気の原理Ⅴ「ゆるみ」の練習を行うことが多い。原理Ⅴ「ゆるみ」は原理Ⅰ~Ⅳがほぼ自動運転になった状態で内部感覚をゆるめて相手を弛めてしまうものである。感覚的な領域の練習なので研究生でも理解が及ばずに迷宮入りする場面も多い。塾長の示演をジッと見て外側から観てとれるヒントを探している。質問があれば随時発して、塾長はそれに答えて少しでも感覚がとれるように言葉を尽くしてくれる。10人ほどの大人(しかもほとんどの方が武道の有段者)が互いに感覚を伝えあって、雰囲気は穏やかであるが真剣に自分のカラダと感覚を見つめ直している(研究している)。とても幸せな空間が研究会である。
実を言うと私の場合、研究会のその場で感覚をつかめたという事はない。練習を終えて、何かモヤモヤしたモノを抱えたままとぼとぼと歩いて帰る途中(とても不幸せそうな表現だ)でいくつかのヒントが頭に降りてくる。その思いつきを次回の練習で試してみて振れ幅を狭めていくような練習を積んでいる。結果、そこに費やしたエネルギー分は自分自身に変化が生じたという感じである。
追記:塾長と「自分のカラダと感覚を見つめ直す幸せな空間」をもっと色々な場所と用途で作れないかと話している。2018年には新展開が期待できそうです。