表題の語群は何を意味しているものと思われるだろうか。

合気練功塾に興味を持たれる方のほとんどが何かしらの武道・格闘技を嗜んできておられ、その身体の反応はいろいろと長けておられる。僅かでも押す、引くなどの何かをしようとする意図は即座に対応されてしまう。意図せず入った引っかかりでさえもブロックされ、力の方向を外される原因となり、また逆に柔らかく脱力されてつながりを切られてしまう。またこんな事もある。女性(奥さん??)を相手にした場合、男性の腕力では力が加わった瞬間にフニャと腕が下がってしまう。ああ難しい。力を使えば力でぶつかって筋力が強い方が勝つ。そこには齢を重ねてなお冴える達人の世界はないと思う。

相手に反応されないためにはどうしたらよいか。それには力強さをともなわなければよい。相手の力よりもソフトに弱い力で相手に影響する事ができれば達成が可能。
言うは易し行うは難し。そのような力加減をするための留意はというと上記のキーワードである。相手と接触した手のひらのイメージである。「相手の手と自分の手のひらの間にわらび餅が挟まっているような感じ」というのは塾長がよく使っていた表現である。変形する感じが私にとってしっくりくるイメージであった。「豆腐をつぶさない程度で‥」もここのところ塾長がよく使う。

練功中に触れられた手のひらの皮膚が、張った状態でも何だか馴染みが甘く、皮膚操作の感じも悪いように思う。僅かの力みで指の骨が当たった瞬間に何か来るなと意識に上る。皮膚を取るのにわらび餅が弾性でもって元の形に戻れる程度の皮膚操作。「突っ張ってはダメで8割程度の取り加減」これも塾長の表現。「手のひらがスポンジでよ~、手の甲側の皮膚で触れている感じで‥。」これはある院生の言葉。(この院生さんは相手からの微細な反応を感じるためにお風呂で練功を工夫された。湯面に手のひらを乗せて、湯面の動きを感じながら手が沈まないように意識してみた。おかげでのぼせてしまったとか。)一時の私のイメージがニシキヘビ。ヘビをギュッと掴んだら反撃される。嫌がられないように敬意(警意?)を払いつつ、でもこちらのハンドリングの中。
練功塾・研究会のメンバーも自身の経験から様々な例えを繰り出して、何とかその感覚をつかもうとしている。そんな中から「ああそれか! ならば‥‥‥。」となるものが当たったらお互いに幸運である。「だよね!!」と暗黙の了解。

留意点がもう一つ。私の戒めでもあるのだが、いくらソフトタッチでもその圧で相手の足裏まで到達できていることが感じられなければ、その後の操作は無意味‥‥。