以前、松原塾長が自身を合気という険しい山の登攀ルート開拓者に譬えておられました。誰でも合気が使えるようになるために塾生の進捗状況を確認しながら、より勾配の緩やかなルートを開拓していく。最近このルートナビが頻繁にアップデートされていくため数回練習を休むと浦島太郎状態になることもありますが、このような試行錯誤を繰り返す中で基本1系(上への変化)が以下の①から④へとさらに深化しました。
① 皮膚を取り足裏を感じるまで肩関節に対し軽く上方向の圧をかける→原理Ⅰ(足裏感覚)原理Ⅱ(推進力)±原理Ⅳ(裏の力)
② 背骨の操作でお互いに引っ張り合い相手が手を離せなくなる状態を作る→原理Ⅲ(同調)
③ 全身のゴムと遠心性の収縮を使い足裏をさらに強く感じる→原理Ⅳ(裏の力)
④ 自分のゴムを緩ませて相手の重心を数ミリ移動させる→原理Ⅴ(ゆるみ)
②はお腹で綱引きをする要領で肛門を収縮させながら仙骨をほんの少し後傾させ、前足底(特にⅡからⅤ足趾)で大地に楔を打つように踵をほんの少し浮かせて背骨から足までを繋げることで体幹を使って相手を引っ張ります。この時、私もよく注意されるのですが、上への圧がなくなり足裏感覚が消えてしまうと単なる引っ張り合いになるために、足裏を絶えず意識して下さい。これが決まると相手は手が離せない状態となり、相手と一体化(同調)する合気の真髄を味わえることと思います。
合気というものは上辺の形を真似ても会得することが難しく内部感覚を理解することが非常に重要なことですが、古より秘術の伝承というものは、師匠に一度技をかけてもらい、後は弟子が自ら創意工夫して体得するというスタイルが主流であり、何度も繰り返し技をかけてもらえたり、ましてそのノウハウを全て教えてもらえるということは皆無であったと思います。皆さんも是非深化する合気練功塾に合気の真髄を体験しに来て下さい。