以前、このブログで塾長に手を握ってもらうと、接触の瞬間から柔らかさと相まって、優しく何かが侵入して自分の体を変えてしまうような独特の感覚に襲われ、何も贖うことができなくなると書きましたが、今回はこの合気の接触についてです。
合気の接触は、指先まで意識を通しながら相手の皮膚と自分の皮膚の隙間をできる限り埋めるように柔らかく張りを持たせて、ほんの少し皮をとることで、相手の無意識下に筋膜や靭帯レベルに刺激を入れていきます。古武術で言う「朝顔の手」も、手の伸筋を伸ばすことで相手の皮膚との接触面を増やし、僅かに掌の屈筋を収縮させることで相手の皮膚をとるという点で似ていますが、あまり手掌の形にこだわりすぎると肝心の合気という内部感覚がなくなってしまいます。始めに「朝顔の手」ありきではなく結果的にそのような手になっているという感覚です。
次に、優しく接触した手は何も足さず何も引かずそのままベクトルの方向だけを決めたら、後はセンサーに徹して、自分の体幹を駆使して裏の力を発生させます。この裏の力によって自分自身が引っ張られているという内部感覚に気づくことが非常に大切なポイントで互いに引っ張り引っ張られるという関係性が構築できれば「合気で繋がる」という独特の接触感覚が出てきます。
最近の合気練功塾は、合気の疑似体験から本当の合気へと深化するため、今まで以上に内部感覚の練功に重点が置かれるようになり、動画などで表面的な動きや形を見ているだけでは、どのような感覚で練功をしているのかを理解することができません。是非、塾長に手を取ってもらい内部感覚を磨きにきて下さい。