虹をつかんだ男のココだけの話「勘違い」

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先日、練功塾で緊急の課題として、周知徹底された事がある。
塾生のほとんどが勘違いしていた事で、もちろん私も例外ではなかった。
それは六元のゴム感覚の作り方で、この感覚を出す時、私は腕を伸ばして作っていたのだが、本当は広背筋を伸ばすのだという事を教えてもらった。
私は、「手が硬い」とか「手が出てる」とよく言われるのだが、その原因の一つは、これにあるのだと思った。
この作り方だと手と胴体が分離しているため、相手の重みを全て手だけで受け止める必要がある。
支えとして手を使わなければいけないので、相手は手の存在を容易に感じる事が出来て、対処され易くなるのだ。
それに対して、広背筋は背骨に連結しているので、手で受けた影響をそのまま体幹まで伝達する事が出来る。
つまり、相手の重みを直接体幹で支えるため、手は支える必要がなくなり存在を消す事が出来る。

塾長は、「手を手として使ってはいけない。前足として使う。」といつも仰っているし、
合気練功塾の習得プログラムにも、六元=“四肢をゴム感覚で繋げる”と明記されている。

しかしながら、手を独立して使う事に慣れている私たちは、四肢と体幹を繋ぐ技術がある事など知らないし、そもそも胴体と手を連動させる必要性を感じていない。
だから、自分の出来得る範囲で、自分の考え得る範囲で、“今の自分”にあった方法を選択してしまえば、手と足と胴体を同時に伸ばしているだけで、“四肢をゴム感覚で繋げる”とは似て非なるものにたどり着く危険が多々ある。
今回の件が良い例だが、私が合気を習い始めて今までに、「一度の説明で理解出来たと思ったが、実は理解した“つもり”でしかなかった。」と後に判明した事は枚挙にいとまがない。
そして、自力でそれに気づける可能性もほぼない。
勘違いしている人がいる時、何度も説明してくれる存在、気づかせてくれる環境があるという事が非常に重要なのである。

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