いつも弾力の事を書いている私であるが、今日書くお題も弾力である。
合気練功塾に入ってから、合気について、全ての事を教わってきた私であるが、動力源として“弾力”が使用可能であるという事を知った時の感動は今でも忘れられない。
しかし、それと同時に、この“弾力”について、知れば知るほど一般社会に生き、常識に囚われてきた私には、やはり、「自力で見つける事は、無理だな。」とも強く思う。
その理由としては、いくつかあるのだが、まずは、伸び縮みする素材として、衣類など身の回りの物に使われたり、形状を戻すための部品として我々の役に立っていたりと、物の一部として内蔵されている素材や部品としての働きの印象が強すぎて、人体にも備わっているという事実をほとんどの人が知らないという事。知っているのは、身体の構造の勉強をした人か、センスによって獲得した一流スポーツ選手くらいである。
次に、“弾力”という力をイメージしづらいという事。“弾力”というのは、「外力が加わって変形した物体が、もとの形に戻ろうとする力。」である。この定義をイメージするために、おそらく、常識的な教育を受けてきた者は、ゴムやバネを連想するのだが、ゴムは引いて戻るイメージはあるが、押すイメージが湧かない。逆にバネは、「バネがある」や「バネが効いている」など押して戻るイメージが優先する。つまり、別々の現象をいくつか同時に連想する必要があるため、端的に思い浮かべにくい。
そして、致命的なのが、現実世界の常識に囚われ過ぎている我々は、おバカな発想が出来ないという事である。例えば、現実世界において、ゴムを引く場合、自分が引く反対側を固定しておかないと引く事は出来ない。これが“当たり前”なのである。しかし、これを“当たり前”で済ませていると先が無いのだ。この状況を打開するには、現実の縛りを取り払って、発想の自由度を上げる必要がある。つまり、夢想、空想、妄想するのだ。仮想空間でゴムを引く場合は、イメージ出来るかぎり、方向や長さを問わず縦横無尽に引く事が出来る。例えば、自分と相手が繋がっている点を中心として、そこから双方向に伸ばす事も出来るし、自分側から相手側に入れ込む様に伸ばす事も出来る。また、予め張った状態のゴムを相手に握らせる事さえ可能であり、それを持たされた相手は、いきなりゴムが縮む事になるので一瞬のうちに自分では予期出来ない現象に巻き込まれる事になる。だから、びっくりして混乱してしまうのだ。
このように、自分が見ただけ、聞いただけ、触れられただけで思考が停止してしまい、“不思議”以上の感想が浮かばないのは、相手が入っている仮想空間に自分が入っていないためである。というより、仮想空間がある事を知らないために入る事が出来ないためである。
しかし、仮想空間に答えがある以上、仮想空間で探さない限り見つからない。現実世界には埋められていないのだから、当然出てくる筈もない。つまり、見つからないのは、探す場所を間違っているからだ。
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