2024年 の投稿一覧

虹をつかんだ男のココだけの話「来年へ向けて」

第四回全国合同強化合宿が9/28、29に豊橋市で行われた。
テーマは「設立10周年記念合宿への第一歩、百人の楽しい達人集団実現に挑む」という事で今回は、北海道から九州まで総勢50人の方々が参加された。

来年は、合気練功塾旗揚げ10周年という事で、盛大に記念行事を取り行うという事、中でも、その目玉として、100人を超える参加者全員による合気揚げの披露を行うという事が報告された。
今回は、まさにこの目標実現を可能にするための“種まき”として入念な事前準備の意味合いもあり、各地から集まった有志も真剣に課題に取り組んでいた。

まず、実技は3点バランスを使った合気揚げの方法とその時に起こる内部感覚の獲得を目指した。
そして、今回は基本、初級、中級の課題があったのだが、クリア出来たかどうかを院生に一人ずつチェックしてもらい、合格を貰えないと次に進めないシステムであったため皆必死で取り組んだ。
最終的には既に合格した者が、まだの者にアドバイスをする形で、全員で協力し合ってステップアップする事が出来た。
そして、夜には毎回恒例の班別による話し合いも行われ、限られた時間の中、色々な意見が出された。
その後は、いつものように懇親会が行われたのだが、その中でも、各班の代表者が“熱い想い”を語る演説も行われ、さながら、来年の行事への決起集会のようで、成功させるために参加者一同が一丸となれたと思う。

私も、来年参加する者として、技術向上はもちろんの事、誰もが参加しやすい、楽しい環境作りに少しでも貢献したいと思う。

はやく仙人になりた~い!「グー/チョキ/パー体操5」

先回、説明させて頂いた「右手、右足」「左手、左足」のエクササイズゴムを使ったゴムの感覚がわかってきましたでしょうか?

ただゴムを伸ばしたり、縮ませたりしているだけでは何も感じないと思います。
腕の筋力で上げているだけなので、肩と腕が疲れるだけ。
エクササイズになっていますので無駄ではありません。
というのは冗談で「引っ張る感覚」を知っておかないと次に進めないからです。

練功塾では「テンセグリティ構造」が重要と言われております。

引っ張る感覚が分かったら、次はゴムを張った状態で止まっていただきます。
考え方を変えて「ゴムを引っ張るのではなく、ゴムに引っ張られているんだ!」と集中してみて下さい。
重要なのは、ゴムを引っ張るのではなく、身体がゴムに引っ張られるテンセグリティ構造になる事です。

ゴムに引っ張られるという言葉は、イメージが強く残ってしまうので「ゴムに引き戻される感覚」が大切です。

今まで、力を込めてゴムを引っ張っていたのに「ゴムに引き戻される感覚?」と思われるかもしれませんが、副長がよく言う「信じる者は救われる」に従って思い込んでください。
意識を変えると、使っている筋肉の場所が変わりませんか?

「腕・肩」⇒「背中」の方へ筋肉の使っている場所が移動しましたよね?
外観を変えず「引っ張っている」⇒「引き戻されている」と思い込み、意識を変えることで使っている筋肉の場所が変わるはずです。

これが「内部感覚」です。
(習得プログラムで言うなら初級から中級の入り口くらいです。)

「ゴムに引き戻されるのをガマンする」だけで身体の内部感覚が変わるって、凄くないですか?

感覚が出ない方は少しずつ、力感を緩めていきます=ゴムに引き戻される感覚(テンセグリティ構造)

ゴムの硬さは、弱いゴムが良いと思います。
強いゴムだと筋力を使いすぎて「ゴムに引き戻される感覚」が分かりづらいと思います。

あまり緩すぎても、ただ立っている(自立)だけでバランスがおろそかになってしまいます。
ゴムはいろいろ試してみると良いかもしれません。

ゴムの長さは3点バランスの絵を参考にしてください。
ちなみにHPでは公開していませんので、YouTubeを何度も観て探してみて下さい。
(ヒント:ホワイトボード)

練功塾では、この内部感覚を掴むために、あえて地味な練習をしております。
大きく腕や足を動かしていると力感が出てしまい、繊細な感覚が掴めない。

塾長がよく言われる言葉で「腕を上げるだけで筋肉は使っている」。

「腕を上げるだけで筋力を使っている」と言うことは、上級に上がれば上がるほど繊細な練功となります。

ただ内部を使うので、慣れないと脳がパニックを起こして汗だくになったり、筋肉痛にもなったりします。
(経験者なので)

今回「グー/チョキ/パー体操」にはふれていませんが、指先を意識するための訓練なので、意識できるようになったら下記をやってみてください。
 普段から軽く手足の指をグニュグニュ動かす。
 普段から意識ができるようになれば、手足の指を動かさなくてもOKです。
 靴を履いても、意識があればOKです。
 幅の狭い靴を履いた時に意識すると浮いた感覚になる事があります。

あと、「引き戻される感覚」と「グー/チョキ/パー体操」を同時にやってみて下さい。

ゴムを「引っ張っている状態」で「グー/チョキ/パー体操」は簡単にできると思います。
「引き戻される感覚」で「グー/チョキ/パー体操」はなかなか難しい。
多分、別々の動きになると思います。

上記のやり方で、手足をグニュグニュ動かしていると、だんだん「○○の手」になってきませんか?

虹をつかんだ男のココだけの話「目的に達成するための方法」

合気を掛けるためには、相手が足だけで立っている状態をやめさせる必要がある。
手が自由に動くので、その手を使って全て処理をされてしまう。
そして、これは人間が普通に取り得る行動様式なので、ほぼ万人に当てはまる。
生まれて生きてきた中で、反復し習得してきたもので、考えるよりも早く反射的に体が動いてしまうのだ。
だから、目的を達成するためには、相手を「足だけでバランスを取れる状態」から、「手も使わなければバランスが取れない状態」へ移行させなければいけない。
すなわち「手の無力化」が不可欠なのだ。

そして最近、ここ合気練功塾では、人を選ぶ事なく「手の無力化」を可能にするメソッドが導入された。
それは、首、手首、足首の3点をゴムで繋げた、練功塾の専売特許である「3点バランス」を使用する事で可能となる。
やり方としては、まず、第一段階で、自分の足と相手の足が繋がるようゴムを引く。
第二段階で、相手の引きで自分が前に飛んで行ける位の弾力を感じるようさらにゴムを引く。
第三段階では、さらにゴムを引きながら、それに乗じて自分の足にある重心を手に移動するのだ。
すると、自分と繋がっている相手にも手の方で重心を支える必要が生じ、そのバランス維持以外には手の機能は使えなくなる。
この三段階で連続してゴムを引き、その弾力を徐々に強化していくことで「手の無力化」が成立する。
やる事は単純で、たったこれだけ簡単な手順で目的が達成出来るのだ。
夢のような話だが、本当の話である。
もちろん、ゴム感覚や3点バランスは必要不可欠であるが、練功塾塾生なら標準装備しているので問題はない。

はやく仙人になりた~い!「グー/チョキ/パー体操4」

前回の練習では、背もたれのない椅子に座って行いました。
腕を下ろすと倒れる感覚が掴めたら、次は立って練習してください。
このとき、「手を下ろしたら倒れてしまう⇒手でバランスを取っている」と意識することが重要です。
頭や腰の位置を考えすぎると、手でバランスを取ることを忘れてしまうので注意が必要です。

以前読んだ本では、A4コピー用紙2枚に大きく「T」の字を書いて床に並べる方法が紹介されていました。
横線をくるぶしに合わせ、縦線を中指に合わせて立つと、百会と会陰を結んだ中心線の状態になります。
この方法は、親指に力が入らない立ち方とも書かれていました。

最後に、百会と会陰を結んだ状態で、倒れないように腕でバランスを取りながら(全身のゴムを上に引く感覚で)、グー/チョキ/パーを意識しつつ3点バランスを行います。

エアー3点バランスの練習は難しいため、感覚のわかる方と一緒に行うのが理想的です。
しかし、一人で練習する場合は、100均で売っている柔らかいエクササイズ用のゴムを柱に低い位置で結び、相手の手の代わりとして使うと良いでしょう。
ゴムを握らずに手に引っ掛けてライン方向へ上げて練習するのがポイントです。

または、エクササイズゴムを「右手と右足」「左手と左足」と繋げ、足は土踏まずで踏み、手は手首に引っ掛けてライン方向へ上げる方法もあります(椅子の練習でも使えます)。

足の親指に力を入れず、小指球側で踏むことを忘れないでください。
ゴムが外れたら後ろに倒れてしまう感覚を忘れずに。
グー/チョキ/パーも忘れずに意識しましょう。

一般公開していない詳しい内容については、「オンライン会員」にて説明しております。
興味のある方はぜひオンライン会員にご登録ください。

虹をつかんだ男のココだけの話「合気揚げ」

自分自身のレベルアップのために、合気に興味のない人に合気揚げをさせてもらう事がたまにあるのだが、すぐ揚がってくれる人もいれば、まるで変化のない人もいる。
合気揚げは、相手に力を出してもらい、その力で相手自身が上方向に伸びる現象である。
だから相手に力を出させる事が現象化を起こす絶対条件という事になる。
変化のない人というのは、自分で力を出そうとしない人なので、そのままでは、手が触れていても、永久に合気揚げが成功する事は無い。
合気揚げが起こる“動力”が発生しないので当然と言えば当然である。

で、この時の対処で、その合気が「本物」なのか、そうではないのかが分かる。
手首や肘などを不自然に動かして無理矢理上げようとする、または、相手を煽るなどして強く抑える事を強要するなど、相手の意に反する行動を取ろうとする場合は、全て「偽物」である。
「本物」の対処は、「相手の“無意識”に働きかけ、相手が自然と力を出さざるを得ないシチュエーションを作る。」のだ。

相手が自分の手に触れているのに、力を入れないで立っていられるのは、相手の重心が100%足にあるからで自立出来ているからである。
他に頼る必要がなく、一生このままの体勢でいる事が可能なので、相手から動く必要性が全くない。
この状況を打破するために、「本物」は、相手が気づかないウチに足にある重心を手に移させるのだ。
そうなった時、万全だったはずの足元が不安定になり、その不安定さ嫌って、触れていただけの手にしがみ付くしかなくなるのだ。
このしがみ付く状態に相手を持ち込めた時、相手は力を出さざるを得なくなり、“動力”が発生する。
そして、しがみ付いた手は、しがみ付く事で手の機能を全て使ってしまうので、足で自立している時のように手だけを自由に使う事が出来なくなる。
そして、その無力化された手を支えにして体を浮かされている状態になるので、その手を上に動かされれば、体も揚がる(伸びる)しかなくなるのである。