2019年 1月 の投稿一覧

合気練功 基本〇系というもの

基本○系というもの

合気練功塾には基本1系~基本5系という練功課題がある。基本1系は相手が上へ上がる、基本2系が下へなど、方向によって分けられている。方向が決まっていた方が練習しやすいし説明しやすいためであるが、これは初めのうちだけである。

合気の技は基本的に相手の力を使って動きが作られる事になるので、相手が力を発揮しないと基本○系にはならない。
基本1系を例にするといわゆる合気上げであるが、相手のカラダに上がっていく要素が発生していないと合気で上がっていかない(関節とか、重心移動で操作すれば上がると思うが、それは合気ではないと思う)。「相手が上がる」と言う現象だけにこだわると失敗して、上がらないことが多い。それは相手が上がらない・繋がらないカラダになってしまうからである。

例えが適当かは判らないが、空手などのいわゆる上受けは上段の突きに対して有効な受け方であるが、「上がらないカラダのヒトを上げてみろ」というのは中・下段の突きを上受けで受けてみろと要求しているような感じに思う。

では、本当に上がらない構えで挑んでくる人に対して、合気練功で上げることはできないのかというと、塾長はスッと上げてしまう。どうやら脊柱で頭部を支えている状態であるならば不可能ではないようだ。

完全に上がらないように構えているカラダには上がるように要素を作っていかねばならない訳だが、相手の受容を可能とする閾値の超えた操作では相手はさらに上がらないように変化をしていく。その辺りがソフトタッチ(の虚?)へと繋げていかなくてはならない部分だろう。今後、合気のカラダのゴム感覚がとても重要となるだろう。

合気練功 足裏の要素 その2

合気練功の原理1「足裏感覚」がある。
前回に引き続き私が確認できる足裏要素を認めていきたい。

②  「相手の足裏へ繋げる」
自分自身のカラダが足まで繋がったら、次は相手のカラダのこと。
武術経験のある方が相手のカラダを意識することは比較的ハードルが低いと思われる。
相手の接触を捉えて僅かに重心をずらせば相手は倒れたくない反応で踏ん張る。または肩に手を当てて下方向に圧を掛ければ当然姿勢保持をしようとして足で耐える。単純に足に繋がるはこれでもOK。しかし、接触時に相手が足底のどの辺で立っているのかを受容するのはそれなりの練功が必要であったように記憶する。
合気練功では接触時に僅かにずらすことを行う。この「僅かに」のところがミソで、相手が気付くようなずらし方では相手の脳のコントロール下にすぐに取り戻されてしまう。足が次がれて立ち直られるか、危ないなと感づかれたら力を抜いて体幹部に伝わらないようにする。反射スピードの勝負になっては凡人には勝ち目はない。
相手の意識に上らないように「僅かに」ずらすことと、「僅かに」を自分の操作として実感できるようにすることが、より多くの人と繋がれる練功の方向性と思う。

追記
最近、相手の意識に上らないという点で、「相手の心地よさ」というのも重要な要素であることを再確認することがあった。もう少し纏まったら報告しようと思う。

とある塾生の雑記 その8 裏の力で関節に圧をかける

とある塾生の雑記その8 裏の力で関節に圧をかける

女性や子供は関節が柔らかく筋肉量も少ないので、雑に扱うとうまく体を繋げることができず、合気をかけられないことがあります。
大抵はこちらの力が強すぎることに原因があるのですが、このような時に裏の力を使って繊細に相手の関節に圧をかけていくと、腕と体幹を一つの塊にすることができ合気がかかります。今回は、娘二人を練習相手に悪戦苦闘した圧のかけ方についてお伝えします。

現在、合気練功塾では基本1系を以下の4つに分解して練功を行なっています。
① 足裏を感じるまで、肩関節に対し上方向へ軽く圧をかける
② お互いに引っ張り合う「ここ」のポイントを作る
③ 遠心性の収縮を使いながら腕・肩・体幹を伸ばし、足裏をさらに強く感じる
④ 斜め懸垂の要領で、相手の重心を数ミリ移動させる

まず、圧のかけ方には「陽圧」と「陰圧」の2種類があります。①の場合は相手と接触した時に、下肢と体幹で姿勢を正すようにして肩関節に対し「陽圧」をかけます。この時、肩関節にかかる圧の力は自分の足裏を感じることができるだけの最小限にとどめます。
②は両足の指でしっかりと大地を掴みながら臍下丹田を斜め上に傾ける要領で腸腰筋を収縮させて、お互いに引っ張り合う関係を作ることで肩関節に対して「陰圧」をかけます。裏引っ張られた肩関節は組織(靭帯)の復元力により自ら肩関節への圧が高まり腕と体幹が繋がります。

最初の頃は、自分の形を作るだけで精一杯であったため圧が強すぎてしまい合気がかからず力技になっていました。「相手の力以上の力はいらない。」「皮一枚とる圧だけでそれ以上かけちゃ駄目。」色々とアドバイスをいただいたものの、なかなか娘を攻略することができずにいたのですが、ある時、赤ちゃんに触れるくらいの優しい力で繊細に行うと次女に合気をかけることができました。改めて力ではないんだなと実感した次第です。さあ、残るラスボスは長女です。まだまだ修行の日々は続きます。

合気練功 足裏の要素まとめ 

足裏の要素のまとめ

合気練功の原理1「足裏感覚」がある。
合気練功塾の合気の繋がりを理解するために、基本・原理の視点での確認は有意であろうから、徒然に「足裏」に関係しそうなことから認めてみたい。

「足裏へ繋げる」その1
私にとって、相手の圧を使って自分の足に繋げることは難しい課題であった。
相手の圧に対して手・腕で反作用することは容易い。加減して圧を返し、つり合わせるのは練習すればできると思う。微妙に圧力を感じるとその刺激に対して反射的に筋が働いてしまい「手を離せばいいのに離せない」などの現象はこの辺が入り口であろう。微妙さ加減が習熟度ということになるのか。ただし、小器用に手で操作していると言うことは手で対応されると言うことで、全身で対応している訳ではないので、合気の繋がりとしてはダメである。
相手の姿勢保持に影響を及ぼすには、自分の足まで繋げて全身での操作が必要という階段になる。そこで相手の圧を足で感じると言うことになる。どこかに力みがあって固まった関節があると足までその圧は伝わってこないので、各関節を柔らかく…、となる。力が抜けてフニャフニャではもちろんいけないので、この柔らかさ加減がゴム感覚。
相手より大きな力を出してしまうと相手が気付いて対応することができるため、力加減は小さい方がよい。相手の出した力で足まで繋がらないといけないので、相手≧自分の力>0の関係。ここで、自分のカラダが繋がっていれば相手のカラダを繋げるだけなのでタイムラグは小さくなると思われる。
今回は「自分のカラダについて足裏へ繋げる」であった。次回は「相手の足裏へ繋げる」でいきたいと思う。

合気練功はいくつかの螺旋階段を同時に上るようなイメージである。あたかもDNAの二重螺旋の雰囲気である。同じ課題を他の要素との複合でさらに精度を上げていく作業である。以前も足裏感覚について記述したことがあるが、読み返してみると変化が感じられる。表現がどんどん難しくなるのも感じている。ぼちぼち確認作業を進めていきたいと思う。