2017年 10月 の投稿一覧

ミニ講座53

【基本原理Ⅲ(背骨の同調:座捕り)】2017.11.1

みなさん、合気の原理Ⅰを思い出してください。
「足裏とつながる」でしたね。

座捕りの場合、「足裏」が「すね」辺りになります。

おたがいの重心が「すね」でつながります。
座捕りをする場合、意外にこの点を忘れてしまう方が多いです。

立っても、座っても必ず重心が一つにつながっている必要があります。
その上で同調が始まるのです。

さて、同調しながらお互い、体の内部感覚を感じてみてください。

空気がパンパンに入ったゴムボールのように弾力感のあるカラダになっているでしょうか。
この状態をキープしつつ、相手の重心をコントロールできるよう練功してみてください。

この時、意識の置き所を注意してくださいね。

相手を押そうとか引こうとかしないで、あくまでもお互いにつながったときにできる一つの重心に意識を集中するのですよ。

相対練功の方法を動画に入れておきました。
水曜日の合気練功プロジェクト動画を参考に試してみてください。

深層筋(インナーマッスル)のこと

深層筋(インナーマッスル)のこと

松原先生との個人レッスンの時に抗重力筋の話が出た。ヒトは姿勢保持のため無意識にインナーマッスルをはじめとする多くの筋を動かす。無意識であるため使い方に左右差が出てバランスを崩したり、もしくは大腰筋のように全く使えていなかったりする。

ヒトは大きな力を受けるとアウターの大きな筋肉が動いてその力に抗おうとする。そのような動きが脳に学習されてきているので無意識でも動く。力に対して力で返すのは力がぶつかっている状態で双方とも自覚できる。これが普段の動き。大脳が介在する随意運動は反応するまでに0.1秒はかかると言われる。それに対して反射は一番早いアキレス腱で0.03秒ほどという。インナーマッスルを起動させるゴムを引く程度の入力は大脳で反応するより早く反射反応が生じて、後追いで自覚できる大きな筋肉が反応する。「何だか解らないけど身体が動かされてしまう」「手を離せばいいのに離せない」なんて現象は大脳とその他の中枢神経の反応速度に理由がありそうだ。

練功塾の身体メソッドはいろいろな修練目的があるが、私の現時点での目標は相手に気取られない持続的な弱い入力を自分がどれだけ維持できるかである。それが動きの中で上下、前後でも途切れないように意識する。相手に強く握られてもアウターの筋肉を動かさず、無意識に深層筋を意識する。脳髄の使い方の幅が広がって物事の受け取り方も変化すると思う。インナーマッスルは皮膚表面から深いところにあるから深層筋と呼ぶのだろうが、私としては落ち着いた深い脳波で動かす筋肉という意味も込めたい。

10282017

ゴムの感覚のこと

ゴムの感覚のこと

合気のカラダづくりではゴムの感覚を重視する。「ゴムの感覚」とは何じゃいな?と正直思ったことがある。以前は手のひらの感覚は磁石の力でイメージしていたし、合気のカラダ・2元では前後のゴムよりも面で受ける水の抵抗感の方がイメージしやすかった。でも合気の原理を練習するに当たり、そのイメージでは上手くいかないことを何回も経験した。

最近の練功塾では実際にゴムを引っ張ってインナーマッスルの働き引き出す練習をする。ヒトは持続的な弱い力を受け続けると反射的にインナーマッスルが働き始めるようだ。筋であるから繊維状に引っ張る存在が近似なのでちょうどよい。やはり2元の時は自分のインナーマッスルをイメージしたゴムの方が良さそうだ。松原先生の説明はきちんと裏付けがあることに、自分が気づいてから感心する。(「だから前からそう言ってるじゃん!」と聞こえてきそうだ。)

そうそう、松原先生は数年前はゴムではなく「お餅を引っ張るように」と表現されていた頃があった。先生もあの頃より感覚が鋭くなり筋の一本一本を自覚、かつ深層筋が強靱になってきたと言うことだろうか。

10232017

個人レッスン感想(30代男性)

合気練功塾オンライン講座のWEB会員の方が京都より個人レッスンを受けに来てくれました。3時間お疲れ様でした。また早速感想メールを送っていただき、ありがとうございます。(2017.10.21)

【感想】

本日は個人レッスン、ありがとうございました。

動画では分からない感覚の部分を補完出来てよかったです。

得たものは色々とあるのですが、一番よかったことは、「稽古になった」ということです。

技術の押し付けや見せつけではなく、今現在の私のレベルに合わせて、私の今日の目的を達成するための稽古をして下さいました。

感謝しています。

今日学んだことをある程度消化出来たら、また稽古つけてもらいたいと思います。

 

 

背骨ゆらしのこと

合気の身体作りは背骨の柔軟性を高める背骨ゆらしからスタートする。練功塾でも研究会(少々端折るが)でも練習のはじめに必ず行う。もともとは気功の鍛錬法で、蛹、擺、捻、蠕などの難しい漢字で動きが示される。ただの準備運動程度に認識すればイージーな運動であるが、どの動きもそれぞれに細かい留意点があり学び始めの方はその要求をなかなか満たせない。合気の技は自分の身体をつなげて相手の重心を感じる訳だが、自分の身体がきちんとつながっているかを自覚できないと技が安定して成立しない。背骨ゆらしには自分の身体のコントロールと繊細な感覚を感じられる感性を磨く意味があり、背骨の一つ一つを動かす意識をずっと維持できれば合気の身体作りの成立にも近づくと思われる。

ヒトは24個の椎体を持っているが直立して前足が自由に使える分、体幹の動きは巧みでない。背骨は腸腰筋の起始部であり、いくつかの大きな筋が覆っているので本来は強力である。中国拳法の抖勁や靠勁は背骨の操作が含まれているものであろう。ヒトと同じサイズのワニやニシキヘビを思い出すととても押さえ込めたものではない。体幹部分がポテンシャルを秘めた部分であることは間違いないので、野生動物のように動ける背骨を磨いていこうと思う。

最近、背骨ゆらしで内部感覚へ意識を持っていくことが合気の原理につながることがジワッと解ってきた(これについてはもう少し纏まったら…)。また、背骨をよく動かして、身体が緩んでいるときの方が身体の感度は明らかに良く、ボゥ~とした気の感覚(振動?血流?インナーマッスルのつながり?熱感?なんと表現します?)も良好である。椎体の間を広げることで神経の通りが良くなるのかもしれない。これは健康増進。良いこと尽くめである。

10172017