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とある塾生の雑記その6 自然な繋がり方

とある塾生の雑記その6 自然な繋がり方

現在、合気練功塾では合気上げに繋がる基本1系(上への変化)を中心に練習しています。私自身、片手を持たれた時にどうしても腕に余計な力が入ってしまい、何かをしようとする意図が相手に伝わり、うまくいないことが多々あります。今回は、自然に繋がる方法について、色々学んだことをお伝えしたいと思います。

まず、前後に揺らす「背骨揺らし」の要領で、腕の力を抜いて体全体を使って相手の皮膚と接触し、骨に達しない程度の軽い圧で、且つ皮膚に過度の張力が生じないように数ミリほど皮膚を引っ張ります。実は、この皮膚が接触する時の力と方向のベクトルがポイントになります。数学の無理関数(y=√x)のグラフのようにやや上の方向に力をかけて相手の肩を詰まらせ、ほんの少し重心を前に持っていくのですが、この曲線の曲がり具合を非常に繊細にミリ単位でコントロールしなければなりません。上手くいけば「ココ」とか「カツン」という繋がった感覚がわかります。この時に探るように手をあれこれ動かすと失敗しますので注意して下さい。もしこの方法で上手く繋がることが出来なければ、腕を頼りに一歩前に足を出すとその瞬間に繋がります。これは足を出して片足というやや不安定な状態を作り、腕を頼りに相手に自分自身を委ねることで、自然に繋がることが出来るようになるからです。後は、この感覚を呼吸という動作に落とし込むことができれば、吸気一つで相手と繋がることが出来ますし、歩行という動作に落とし込めば、歩くだけで相手と繋がることが出来るようになります。

合気練功塾の「合気」は人と人との繋がりが生み出す「合気」で、その境地を楽しむことはとても素敵なことだと思いますし、もっと多くの人にこの境地を知ってもらえればと思います。

Tスタイル No.5 〜合気練功の日々〜 「バットマン」

Tスタイル No.5 〜合気練功の日々〜
「バットマン」

最近、改めて毎日の練功の大切さを感じています。個人レッスンや研究会で松原塾長や院生・研究生の方々から様々なアドバイスをいただき、対練に取り組んでいるのですが、自分自身まだまだ満足できるレベルには達していません。 やはり、個人の練功の量も質も不足していると反省しています。

特に感じるのは、練功の質の問題です。形にとらわれず、イメージを豊かにして、自分をぎりぎりまで追い込むような練功が必要なのでしょう。皆さんも色々と工夫して練功されているようですが、私もある本からヒントを得て、新しいアイテムをアマゾンで購入し、それを使って練功しています。そのアイテムとは・・・?

それは次回のお楽しみということで。(実はまだ使いこなせていないので。すみません。)

話は変わりますが、最近、バットマンにはまっています。「ダークナイト」3部作のDVDを観て印象に残ったのは、バットマンが高い塔の上に立って夜のゴッサムシティの街を見下ろしている場面です。あの不安定な場所に立ってバットマンは何をしているのでしょうか?

( ここからは完全に妄想の世界に入りますので、お許し下さい。)
そうです!バットマンは自分を不安定な状態に追い込んで、練功しているのです。
そう言えばブラックのユニフォームを着て、木曜日の夜に集まる塾長・院生・研究生の姿は、まさにバットマン!

皆さん、バットマンに負けないように毎日しっかり練功しましょうね。

とある塾生の雑記その5 「逆転の発想」

とある塾生の雑記その5 「逆転の発想」

合気練功塾には数々の逆転の発想があります。武道・武術・格闘技の経験者であればあるほど、今までの常識から脱却できずにもがき
苦しんでしまい、結果的に素人の方が早く上達してしまうなんてことが起こります。今回は、この逆転の発想についてお伝えします。

① 自立しない、相手に委ねる
合気練功塾では、接触面で互いに引っ張り引っ張られて、二人で一つの重心を形成するという関係性を重視します。最初は互いの踵が
浮くぐらい不安定にしてその感覚を体に染み込ませます。ほんの少し相手に委ねることで、無意識に相手が緊張して裏の力などが通り
やすくなります。私は暇を見つけると、ドアノブや机を相手に引っ張り引っ張られの状態を片手→5本指→3本指→2本指→1本指で
作り出し、この不安定な感覚を意念で再現できるように一人遊びを楽しんでいます。

② 相手に合気をかけない、まず自分にかける
これは塾長に手を握ってもらうと大変よくわかります。合気の体の状態で握られるとその瞬間から接触の柔らかさと相まって、優しく
何かが侵入して自分の体を変えてしまうような独特の感覚に襲われ、何も贖うことができなくなります。少しでも痛いとか不快だとか
を感じ取れば、拒否反応や逃避反応も起きるのでしょうが、その心地よさに思わず笑いがこみ上げてくることもあります。本当の施術
家の手とはこういうものなんだなとしみじみ思います。

③ 力で挙げない、勝手に上がる
合気上げには色々なやり方がありますが、合気練功塾のそれはほとんど力を必要とせず、ミリ単位の重心操作で相手が勝手に上がって
行きます。動画では挙げているように見えますが相手の手に追従して上がっているだけです。体が上がるためには「ここ」という一点
があり、最近の個人レッスンでこの深遠なる「ミリの世界」の一端を垣間見ることができましたが、微視的にそのポイントを探そうと
すると結局力みが生じてしまい、失敗してしまいます。あれこれ探すより自分で作るのが近道なのかなと思う今日この頃です。

Tスタイル 〜合気練功の日々〜 「合気の3S」

Tスタイル 〜合気練功の日々〜
「合気の3S」

合気練功塾に入って1年が過ぎましたが、相変わらず暗中模索の日々が続いています。今回は、合気を習得するために捨て去るべき3つの点、即ち3S(捨てるのS)を私なりにまとめてみました。

①筋力を捨てる
もちろん、身体を動かすための最低限の筋力は必要です。しかし、私達が筋トレや武術の鍛錬などで普段使っている筋力は、合気の身体をつくる上では障壁となってしまうのです。筋力に頼らず、全身がゴムで繋がったような身体をつくる為の練功が必要です。

②経験を捨てる
合気に魅せられた人々の多くは、様々な武術を経験しています。そこでの身体操作や感覚を身に付けた人々は、時に「この場合はこうしなければならない。」と思いがちです。合気揚げをする時にも、その経験から身に付けた「癖」が出てしまいます。以前のブログでも書かせていただいたように、大切なのは相手が「あがりたい!」と感じる状況をいかにつくるかということです。そこに焦点を当てなければなりません。

③疑念を捨てる
練功塾では、意念ということをとても重要視しています。思ったり感じたりすることで、大きく身体を動かさなくても自分と相手の双方の身体が変化してきます。しかし、この意念のトレーニングは地味で時間もかかります。「そんなことで身体が変化するのか?」という疑念(疑う気持ち)が生まれてきます。こうした気持ちを抱いたまま練功をしても、得られるものは少ないでしょう。疑問はもっても、疑念は捨てるべきです。

個人レッスンで気匠庵(松原塾長のお宅)にうかがう際、勾配がきつい上り坂があります。私はその坂を「合気の坂」と勝手に名付けています。まるで、合気を習得する困難を表したかのような急な坂です。しかし、(得るものがとても多い)個人レッスンを終え、その坂を下る爽快感は格別!(考えてみれば下り坂なので楽なのは当然ですが・・・。)

もちろん練功しながら(身体を揺らしながら)歩いているのですが、先日下校途中の小学生と目があってしまいました!
驚かせてごめんなさい!変なおじさんではありませんよ。いや、ある意味、変なおじさんかも?

とある塾生の雑記 その4 「気感を移動させて遊ぶ」 

とある塾生の雑記 その4 「気感を移動させて遊ぶ」

手掌がジンジンとする内部感覚(以下、気感という)が出てきたら、次はこの気感を移動させる錬功法です。

両腕を目一杯横に広げ、肩と肘を少し落とし、両手掌を上に向けた体勢からスタートします。片方の腕を頭の高さまで挙げ、反対側の腕を腰の高さまで降ろします。この時、両目を閉じ感覚を研ぎ澄まし、上の腕は手掌から肩に血の気が引くような何かが流れる感覚を、下の腕は肩から手掌に向けて何かが流れ込むようなあるいはジンジンとした感覚を待ちます。何も感じなければ、ヤジロベエのようにゆっくりと交互に腕を上げ下げしながら(片側の)手→肘→肩→背骨→(対側の)肩→肘→手と順番に脱力させ、身体的補助をつけて脱力した時に出現する感覚の変化を追いかけていきます。

気感は非常に繊細なもので、力んでいると感じにくくなります。私自身もついつい肩に力が入ってしまい肩から背骨への感覚が上手く出ませんでした。このような時は、微妙に肩や肩甲骨を揺り動かして、皮膚と衣服が擦れるわずかな感覚を頼りに脳内イメージで感覚を増強させると良いと思います。気感はあくまでも内部感覚であり別に何かが出ている訳ではありませんが、このような繊細な感覚が身につけば、自分の体の状態はもちろんのこと、対峙している相手の体の状態も、そのわずかな接触面より読み取ることができるようになります。

合気練功塾では、準備運動として背骨揺らし体操をしますが、気感の移動ができるようになると背骨の揺れで体の力みが程よく取れ、じっくりと内観すれば気感が体全体に波及していきます。卑近な例で恐縮ですが、私はこの気感に体が包まれた「スーパーサイヤ人」状態から両手の気感を丸い球体にギュッと圧縮して「螺旋丸」を作るなどのイメージトレーニングをして遊んでいます。瞬時に気感が出せるようになると楽しいですよ。